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 ラグビーなどスポーツにおける監督と選手の作戦会議といえば、大きな部室に全員が集合して、ビデオを見ながら、監督が指示を出す。選手はそれを聞き逃すまいとして真剣になる――。そんなイメージを持っている方も多いだろう。

 ビジネスの現場でも、役員や部長が営業社員を会議室に集めて、ノルマ達成へ指示を出す。あるいは大勢の管理職を前に、新商品の担当社員が資料を使って熱心に説明する。そんな光景もよくあることだ。

 そうした会議スタイルは効果があるからこそ、今も続いている。だが最近はiPadをはじめとするタブレット端末の発達や、ネットの普及によって、コミュニケーションのスタイルが変わってきている。

 会議の進め方も同じこと。全員がそろってテレビで映像を見なくても、iPadがあれば各人が好きな時に好きな場所で、映像を選んで見ることができる。IT(情報技術)の利便性を生かせば、会議の進め方を変えて、人材育成の在り方を進化させ、成果を高められる。

 第3回と次の第4回は、ITの活用を人材育成に役立たせる手法を解説したいと思う。

パソコンとiPadでは姿勢が異なる

図1●人材育成におけるIT活用のポイント
図1●人材育成におけるIT活用のポイント
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 ラグビーの指導において、監督としてコーチや選手に目的や戦略を様々な形で伝えている。個別面談もあれば、ビデオを使った作戦会議もある。効果はそれぞれあるが、100%満足ということはない。「伝わらないな」と思うこともある。

 そんな時に取り入れたのが、IT活用によるコミュニケーションと会議の進行。具体的にはiPadの利用が大きい。そこから「手軽さ=自主性」「気軽さ=自己認識」「身近さ=目標共有」について考えてみよう(図1)。

 例えば、合宿をする時のこと。選手が集まる休憩フロアにストレッチポールや飲料、栄養サプリメントなどと一緒に、見てほしい試合の映像が入ったiPadを数台、置いておく。そうすると選手は自然と映像を見るようになる。1人で見る人もいれば、仲のいい選手同士で見るケースもある。ポジションごとに集まって見る選手もいる。

 重要なのは、選手が自主的に映像を見ることだ。会議室のビデオで流れているから見るのではなく、主体性を持って見て、自身のプレーやチームの状況を目に焼き付けることになる。手軽さが自主性につながるのだ。