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 進出先の現地企業からシステム開発の仕事をどれだけ受注できるか---。日系IT企業が海外での売り上げを伸ばすためには、ここが一つのポイントになる。国内最大手のシステム開発会社からグローバルトップ5のIT企業への進化を目指すNTTデータのタイ子会社を統括する松岡靖CEO(最高経営責任者)に、現地ビジネスの最新状況と課題について聞いた。

(聞き手は大和田 尚孝=日経コンピュータ

タイでの事業規模とメイン顧客は。

 タイ法人の社員は現時点で約70人だ。そのうち日本人は4人だけ。ほかはタイの人が大半だ。仕事は現地でのシステム開発が100%。日本向けのオフショア開発は手掛けていない。日本からの売り上げはないため、現地の市場で稼がなければならない。

 現地での仕事のうち、売り上げで見ると日系企業向けが4分の3程度で、残る4分の1が現地企業向けだ。

主にどんなソリューションを提供しているのか。

NTTデータ(タイ)の松岡靖CEO(左から2人目)と幹部たち
NTTデータ(タイ)の松岡靖CEO(左から2人目)と幹部たち
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 日系企業向けには、NTTデータイントラマートのシステム基盤構築ソフト「intra-mart」とNTTデータの製造業向けテンプレート群「M-series」を組み合わせた生産管理システムなどを手掛けている。自動車会社と取引のある部品メーカーからの引き合いが多い。タイでは人件費が上がっていて業務の効率化が課題になっており、そこにシステム化のニーズがある。

 部品メーカーなどは、納入先である自動車メーカーの生産計画の変更に伴い、自社の生産計画を頻繁に変える必要がある。ここの機能をintra-martとM-seriesで構築するケースが多い。システムが“軽い”ため、生産計画の変更処理を何度も回せる。(独SAPなどの)ERP(統合基幹業務システム)パッケージでは実現できない機能を補える点が好評だ。

 現地企業向けには、NTTデータビズインテグラルのERPパッケージ「ビズインテグラル」と、NTTデータのBIツール「iREADY」を使って、レポート機能や経営ダッシュボード機能を構築する案件が多い。

苦労する点は。

 顧客との、あるいは社員とのコミュニケーションだ。

 例えば日系企業向けにビジネスをする場合、顧客は経営者が日本人でIT部門長はタイ人であることが多い。私が経営者にトップセールスをして「ぜひ採用したい。IT部門に説明して」と言ってもらったとしても、そこからが難しい。日本人の経営者が望む機能をITでどう実現するかについて、IT部門のタイ人に説明し、納得してもらう必要があるからだ。