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 志のベースとなるのが、やりがいや喜びだ。その価値観は、役割や仕事の内容によって異なるもの。20代~50代のITエンジニアが集まった座談会で、年代別の価値観の違いが明らかになった。

(聞き手は日経SYSTEMS編集長 松山 貴之)


(写真撮影:中野 和志、以下同)

皆さんが感じている「やりがい」や「喜び」を教えてください。まずは、20代代表の栗林さんから。

栗林 私は入社以来、自治体向けシステムの開発・運用を担当しています。その中でやりがいと感じるのは、ユーザーの業務を勉強していくことです。

具体的にはどんな。

20代 栗林 卓也 氏 日立製作所 公共システム事業部
20代●栗林 卓也 氏
日立製作所 公共システム事業部 自治体システム第一部
入社から一貫して、自治体における税管理システムを担当。システム開発・運用業務に従事している
栗林 税金の知識を習得することでしょうか。学生のころから情報システムの技術面はある程度勉強してきました。でも業務面は知らないことばかりで、未経験の分野の知識習得にやりがいを感じています。

30代代表の関口さんは。

関口 私はずっと金融系のシステムに携わっており、そこで新規開発と保守開発を担当してきました。それぞれについてやりがいがあります。具体的には新規開発ではチームで作り上げていく一体感。保守開発ではユーザーの役に立っているという実感です。

何かエピソードはありますか。

関口 以前、7年間保守を担当したユーザー企業を離れることになったとき、皆さんからお礼のメッセージをたくさんいただきました。私が勤務する会社に感謝状をいただいたことがあります。ユーザーから「ありがとう」と言われると、この仕事をやっていてよかったと感じます。

40代代表の門田さんは。

門田 私はファシリテーションを武器にしたIT関連のコンサルティングを担当しています。その中でユーザーと議論していて、何か“ポッ”と生まれる瞬間があります。悩んでいたところにちょっとしたひと言で、みんなの電気がつくような。この瞬間が、私にとって最高の喜びです。

30代にはなかったことですか。

30代●関口 恭子 氏
30代●関口 恭子 氏
さくら情報システム 開発第 1部 金融ソリューション第3グループ リーダー
入社以来、金融系システム開発・運用保守に従事。今はサブリーダーとして大規模プロジェクトに取り組む

門田 ありましたよ。でも40代になってその回数が増えてきましたね。

関口 それは、同じユーザーと長く接することで得られるものですか。

門田 うーん、そうではないと思います。同じユーザーと長期間接していると、いつの間にかあうんの状態になります。こうなると、本当に大事なことに気付かない可能性があると思います。同じユーザーとずっと付き合うより、多くのユーザーと接したほうが、電気がつく瞬間はより多くなると私は感じています。