PR

 運用コストの最適化に取り組んでいるのが三井化学である。2011年4月から3年計画で、運用コストを3割削減することを目指した。

 目を付けたコストは、サービスデスクの業務委託費。作業依頼は月3000件ほど。この作業をさばくために100人以上の常駐担当者を抱えていた。3000件の作業依頼を3割減らす―。これがコスト最適化を推進した木村氏らのゴールだった。

 3000件の作業依頼をどのように減らしたのか。木村氏は、作業依頼の内容を4段階にレベル分けし、下位の二つの作業依頼は原則実施しないようにした(図1)。

図1●優先順位を付けてコストを最適化する
図1●優先順位を付けてコストを最適化する
三井化学の木村 博氏らは、利用部門からの膨大な作業依頼を四つのレベルに分類。下位レベルの二つの作業を実施しないように改め、サービスデスクにかかる運用コストを約2 割削減した
[画像のクリックで拡大表示]

「過剰」な作業はやらない

 四つのレベルは次の通りである。必ず実施するのは「必須」と「必要付加」の二つ。必須は、利用部門が業務を遂行するためのサービス。必要付加は、利用部門が業務を遂行するために支援するサービスである。システムの稼働・維持に関わるもので、これは、システム部の負担でこれまで通り必ず実施する。

 逆に実施しないのが、「付加」と「過剰」だ。付加は、利用部門が業務を効率的に遂行するために支援するサービスで、システムで実現する必要がある改善対応。過剰は、実施しなくても利用部門が業務を遂行できるサービスで、本来であれば利用部門でも対応可能な作業依頼だ。付加と過剰の作業依頼で、全体の3割を占めると試算した。

 ところが導入後、実際には2割しか作業依頼は減らず、コストも同様に2割の削減にとどまった。理由は二つ。必要付加と付加の仕分けがうまくできない“グレーゾーン”の作業があったことと、利用部門の強い要求でやらざるを得ない付加や過剰の作業があったことだ。もちろん「2割の件数・コストを削減できた成果は大きい。それでも残る1年で何とか目標の3割削減を達成したい」と、木村氏は意気込む。

 作業依頼の件数を減らすのはほぼ限界と見た木村氏らは、別の策を講じた。それは「運用のオフショア」だ。開発を委託していたベトナムのIT企業に、主に必須の作業を低コストで実施するよう改善したのである。「海外から国内のシステムを操作するための回線の準備は大変だったが、コストを3割削減できる見通しが立った」と木村氏は話す。