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 企業のマーケティング戦略が、ビッグデータの活用によって大きく変わり始めています。従来、企業と顧客との間のコミュニケーションは、企業から顧客への一方向のコミュニケーションが主体でした。例えばテレビやラジオ、新聞や雑誌などのマスメディア広告やキャンペーンによる一方向のコミュニケーションです。

 マーケティングの基本は、製品やサービスありきで、消費者ニーズの特性をセグメンテーション手法により体系化して把握し、ターゲティング手法によって選択したセグメントに特化したマーケティング戦略を実施することでした。いわゆるマス・マーケティングです。

 この従来型マス・マーケティングの発展型として、1990年代に入ってから、顧客一人ひとりのニーズや価値観に合わせたアプローチをとる「One to One マーケティング」の考え方が登場してきました。このマーケティング戦略はインターネットの普及とともに主流となり、パーソナライズされたOne to Oneメールやメールマガジン、クーポンなどの手法に具体化されました。

コミュニケーションは一方向から多方向に

 ところがモバイルデバイスやソーシャルネットワークなどの著しい普及により、コミュニケーションは一方向から多方向へと変化しました。例えば、「価格.com」や「TripAdvisor」に代表されるクチコミサイトのほか「Facebook」や「Twitter」に代表されるソーシャルネットワークの出現により、消費者同士がコミュニティを構成し、共有し、モバイルデバイスを使って容易に気楽にお互いにフィードバックし合うコミュニケーションの形態が実現してきたのです。

 その中で、企業と顧客との間でも、コミュニティを共有することにより双方向のコミュニケーションが実現しはじめています。