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どのようなユーザーを望むか仮設を立てる

 ゲーミフィケーション体験としてはどうだろうか? この「ペコっ」は、目立つ個所に出てくるわけではない。これには当然ながらメリットとデメリットがある。メリットとしては通常の購入プロセスを邪魔しないという点が挙げられる。一方で利用者数は急激には増えないため、全体に対しての波及効果はすぐには期待できなくなる。

 「ペコっ」の場合、同社は目的志向のユーザーが多く利用するとみなしているためか、あえて目立つ個所には出していないと考えられる。実際、どのようにすればキャラクターが成長するのか、どうすればユーザーのステータスがアップするのか、といったことがサイト内に明確には示されていない。

 ただユーザーに与えられるステータスの名称をよく見ると、「お悩み相談室を見るといいのかな」「社員日記を見るといいのかな」ということは想像できるようになっている。こうした表現の選び方1つで、どのようなユーザーに活動してほしいのかといった意図を表現できる。こうした点から「ペコっ」は、目的志向のユーザーが多く、前述のような表現も注意深く見るユーザーが多い、という仮説を基に設計されているであろうことが見てとれる。

 このような仮説の立て方は、特にECサイトに当てはまる。ECサイトの運営者にしてみれば、購入意思の強いユーザーの購入を邪魔するような設計にしたくはないが、一方そこまで意思が強くないユーザーに対しては、すぐにサイトからは離脱してほしくないような設計にしたい。見極めは簡単ではないが仮説検証を繰り返しながら最適なバランスを考える必要がある。

よりよりゲーミフィケーションデザインにするには?

 さらによいゲーミフィケーションのデザインにするにはどのような要素を加えればいいのだろうか? ドクターシーラボの「肌の悩みのある人を救う」という経営理念に則れば、そうした行動や知識の習得をダイレクトに評価・フィードバックする仕掛けはもっとあってもいいだろう。ユーザーのステータスを表現している個所にもそれを明示的に表現してよい。

 また、現在の仕組みは、通常使っているだけでは上級者向けのリワードの存在が分からないようになっている。少なくとも筆者のレベル(前ページの写真は筆者のマイページ画面)ではまだ可視化されていないが、レベルが上がるとどのようなリワードが用意されているのかを可視化することで、活性化を促せるだろう。

 さらにドクターシーラボを利用する人にとってうれしいリワードを用意すれば、さらに強いエンゲージメントを引き出せる。このような上級者向けのリワードについては、まだ充実の余地が大きい。