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 米国のビジネス誌である「ハーバード・ビジネス・レビュー」に、ブランク氏が寄稿することになりました。寄稿では、彼がこれまで唱えてきた新事業の立案と実行のプロセスを語っています。かつてブランク氏は同誌を愛読する立場にあったことから、今回の寄稿には感慨深い様子がうかがえます。(ITpro)

 私が起業家だった21年間、私は特別な時間を設けて「ハーバード・ビジネス・レビュー」(HBR)を、定期的に読み続けました。HBRは、新規のスタートアップ戦略を立案するための秘密兵器であっただけではなく、私の顧客が直面している経営上の問題を示してくれました。HBRでピーター・ドラッカー氏を知り、彼の言う「目標管理」について初めて読みました。マイケル・ポーター氏の「 5つの要因」もここで学びました。

 しかし、私にとって最大の啓発的な経験は、クレイトン・クリスチャンセン氏による1990年半ばに掲載された“混乱”に関する記事であり、その後に出版された「イノベーターのジレンマ」でした。これらの著者(および、ここでは語りつくせないほど多くの著者)は、私のマネジメントと戦略的視点を根本から変えました。これら全ては、決して大げさではなく、たった1冊の雑誌から偉大なアイデアが継続的に溢れ出てきたのです。

 何十年もの間、この敬愛するマネジメント雑誌では、大企業で開発された大企業向けのマネジメント手法を取り上げ、既存のビジネスモデルをより効率的かつ創造的に執行する手法を提供していました。私はHBRを愛読していましたが、新しいビジネスモデルを探し求めるスタートアップ(あるいは既存の大企業の新規事業部門)に役立つ記事はほとんどありませんでした。イノベーションとアントレプレナーシップに関する記事はよく洞察されていましたが、既存の事業を運営執行するために開発された、既存のプロセスや手法の変形のように見受けられました。HBRには、過去に書かれた記事やビジネス・スクールで教えられたこととは異なる、「スタートアップや新しいベンチャーには、独自のツールと手法が必要だ」という示唆はありませんでした。

 このギャップを埋めるため、私は「アントレプレナーの教科書」(原題「The Four Steps to the Epiphany」)を出版しました。そこで「顧客開発」のプロセスを説明し、そのプロセスがスタートアップ企業の構築方法をいかに変えるかを説明しました。この本では、「スタートアップ企業は大企業の小型版ではない」とし、両者を明確に区別しました。さらに、スタートアップ企業は「繰り返しと拡張が可能なビジネスモデルを探し求める、一時的な組織」と定義しました。今では、その考え方である「最小機能で実現できる製品」「繰り返し実行し、ピボットする」「オフィスから外に出る」「ビジネスプランは、最初の顧客に会った後には生き残らない」は、アントレプレナーたちが頻繁に使う言葉になっています。私の近著「スタートアップ・マニュアル」では、スタートアップ企業あるいは既存の企業が新規事業を構築する際の手順を、より詳しく説明しています。