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 増収増益を達成したNECに対し、連続減収から脱しきれない富士通。国内IT大手2社が発表した2013年3月期連結決算は、対照的な結果となった()。

表●NECと富士通の連結業績
表●NECと富士通の連結業績
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 NECの売上高は前の期比1.1%増の3兆716億円、営業利益は同55.5%増の1146億円で増収増益となった。2012年3月期に1102億円の最終赤字に陥ったNECは、人員削減などの構造改革を進めてきた。2013年3月期は3期ぶりに304億円の最終黒字を計上した。

 好調だったのは「ITソリューション」部門だ。国内製造業や流通・サービス業向けのITサービスが増収となり、前の期比47.5%増となる661億円の営業利益を計上。携帯電話会社が設備投資を積極化したことで、「キャリアネットワーク」部門も業績を伸ばした。

 これに対し、富士通は5期連続の減収となった。主力の「テクノロジーソリューション」部門は、製造業などでのIT投資回復を受け増収増益だったが、他部門の悪化を補えなかった。半導体事業の再編費用などで特別損失を計上したことが響き、最終損益は427億円の黒字(2012年3月期)から、729億円の赤字へ転落した。

 稼ぎ頭のITサービスに集中するため、富士通は半導体事業の縮小を進める。4月30日に、マイコン・アナログ事業を米半導体メーカーのスパンションに約173億円で売却すると発表。2月にパナソニックとシステムLSI事業を統合することで基本合意したのに続き、不振事業の切り離しを急ぐ。

 富士通の山本正已社長は決算発表の場で、「アベノミクスの影響により、2012年度後半から当社の受注は回復基調にある」と語り、国内IT投資が回復しているとの考えを示した。人員削減や本社機能のスリム化など、既に発表した構造改革策を着実に実行することで、2014年3月期は増収増益を達成したいとしている。

 両社にとって、今期は携帯電話端末事業が頭痛の種になりそうだ。NECは2013年3月期に430万台の出荷を計画していたが、実際には290万台にとどまった。結果、「パーソナルソリューション」部門が営業赤字に転落した。遠藤信博社長は決算会見で「部材の購買力などを考えると、海外事業者とのパートナーシップを検討する必要がある」と語った。富士通は2014年3月期の携帯電話出荷台数を、前期比2割減の520万台と見込んでいる。