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 ITシステムの構築で、中国やインドのエンジニアがプロジェクトに参画するケースは、日本でも珍しくなくなってきました。人件費が日本のエンジニアよりも安く、プロジェクトコストを抑える重要な施策の1つになっている場合や、最近のグローバルカンパニーでは中国やインドに開発拠点や保守運営拠点を設けて、コミュニケーション窓口として数人の担当者のみを日本に置いている場合もよく見かけます。

 しかし、残念ながら、日本に限らず他のアジア諸国でも、当初の見込み通りにプロジェクトがスムーズに進んでいるケースは、まだまだ多くないようです。

言葉の壁以上に立ちはだかるコミュニケーションの壁

 日本で生まれ、日本で育った人なら誰でも一度は、外国語(大抵は英語での経験だと思いますが)でコミュニケーションを取った際に、うまく自分が思っていることをその外国語で表現できない、相手に伝わらないといった、いわゆる「言葉の壁」にぶち当たったことがあると思います。

 こうした言葉の壁は、自分の語彙力や言葉の表現力不足からくるものだと思っているかと思いますが、ではその人が日々勉強を重ね、ラジオ英会話などで語彙力や表現力を磨いたとしましょう。

 おそらく努力に比例して、次第に相手の言いたいことが分かるようになり、自分が思ったことも表現できるようになっていくと思います。

 ですが、実際にコミュニケーションを取っていくと、日本語でのコミュニケーションに比べて、「何かが違う」と感じてもくるはずです。これまで見えてこなかった「コミュニケーションの壁」が見えてくるようになるのです。

相手のコミュニケーションスタイルを見分ける

 日本人同士のコミュニケーションでも「あの人に説明する時は、事細かに言わないと分かってもらえない」とか、「あの人の言うことは大体オーバーなので、話半分で聞いておかないと、後で間違った対応をすることになりかねない」といったふうに、相手のこれまでの言動から判断して、意思疎通を工夫していると思います。

 これに加えて、「あの人はどこそこの出身だから、こうしておいた方がうまく話が進む」といった、相手の育った企業文化などを考慮に入れて、話を進めたり対応方法を変えたりしている人もいるでしょう。

 日本人同士のコミュニケーションでは、こういった「コミュニケーションアプローチ」を工夫して、コミュニケーションの壁を乗り越える努力を(ある意味、無意識のうちに)しているはずです。

 ところが外国人を相手にした場合は、どうでしょう。言葉の壁に気を取られすぎて、コミュニケーションアプローチに対する考慮をおろそかにしてはいないでしょうか。

 実際に、コミュニケーションアプローチを意識して外国人と接していると、もちろん人によって強弱はありますが、ある程度、国ごとの傾向が見えてきます。

 そこで今回は、私がこれまでに一緒に仕事をしたメンバーから見えてきた、そして自分自身も日々コミュニケーションのなかで気をつけている国ごとの傾向を挙げてみます。