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 グローバルプロジェクトに参画し、海外メンバーとコミュニケーションを取っていると、「こうも違うものか」と、様々な場面でお互いの違いに気づきます。そして、その違いに困惑する経験をします。

 そんな状況下で、私はお互いの違いを確認し、「Let’s have a mutual understanding about…」と相互理解を持つことを促します。

 グローバルプロジェクトにおいては、プロジェクトに携わるメンバー間で様々な事柄が異なっており、その違いをお互いが理解して“そろえる”という作業が、プロジェクトにとって重要な意味を持ってきます。

 今回は、グローバルプロジェクトにおけるPMO(プロジェクト・マネジメント・オフィス)の心がけとして、実際にどのようなことを“そろえる”必要があるのかを、具体的に4つ見ていきたいと思います。

(そろえる1)用語

 グローバルプロジェクトでは使う単語一つ取っても、意味が異なることがよくあります。

 例えば、User Training。 新しいシステムを構築し、そのシステムを使用するUserに対して、実際にどのように使用するかをTrainingするという意味が、一般的ではないでしょうか。

 ただ、私の経験から、ある組織ではこのUserを業務担当者全般と捉えて、Trainingの対象もシステムの使用方法ではなく、業務変更を全体に知らせるという意味に捉え、結果として全く異なるアクションを意味していたことがありました。

 国内のプロジェクトでも、組織固有の用語や専門用語をまとめた用語集を作成することがあります。グローバルプロジェクトではこうした用語を整理するのは非常に大切なことです。

 用語集を作成してプロジェクトにおける用語を定義できたとしても、作りっぱなしではもったいないのです。

 プロジェクトメンバーがそれぞれの局面で、その言葉を正しく使用するとは限りません。グローバルPMOは、その用語がそれぞれの組織でどういった意味に解釈されているかをしっかりと理解し、用語の違いを随所で指摘していくことが必要です。

(そろえる2)作業工程

 作業工程はプロジェクト内で統一的なものとして確実に認識されていなくてはなりません。

 プロジェクトの作業工程は、プロジェクトの計画段階で定義されていると思いますが、グローバルプロジェクトに参画している異なる組織は、もともとそれぞれに固有のプロジェクト方法論が存在していたり、過去のプロジェクトに参画していたベンダー色が強く残っていたり、作業工程の名称が異なっていたり、作業工程の名前が同じでもその内容が異なっていたりする場合があるので、注意が必要です。

 例えば、ウオーターフォールのシステム開発プロジェクトで、結合テスト(integration test)というテストフェーズを定義した場合は、どうなるでしょうか()。

 何のintegrationを確認するテストなのか。また、integrationだけを確認できればよいのか。それとも、その後のプロセスまで確認する必要があるのかなど、テストによってどの範囲の妥当性を検証するのかが、組織によって異なって理解されている場合があります。

図
図●結合テストは何を確認するものか
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 当然、テストの目的やテストのスコープはテスト計画書に明記され、事前にプロジェクトメンバーと共有されている必要があります。ただし、作業工程の定義がそれぞれの組織で過去に実施してきたプロジェクトと異なっている場合は、その点も明確にしておく必要があります。

 慣れ親しんだメンバーと進めるプロジェクトではなく、異なるバックグラウンドを持ったメンバーと進めるプロジェクトですので、どうやってプロジェクトを進めていくかといった詳細な部分の確認を、グローバルPMOが推進していく必要があるのです。