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 本稿が公開されているころには正式に発表されているかもしれないが、ソーシャルメディアの業界勢力図が書き換わる可能性のあるニュースが、米国時間の2013年5月19日に報じられた。米Yahoo!の取締役会が、2007年のサービス開始以降多くのユーザーに利用されている米Tumblrの買収を承認したというニュースである。今回はこの買収のニュースを、もう少し細かく解説してみよう。

ブログ件数が1億を超える巨大サービス

 Tumblrは日本国内では、どちらかというとコアなファン層に熱烈に支持されている印象が強い。実際にはブログを書けるだけにとどまらず、写真や動画などを手軽にアップロード可能で、他のユーザーの投稿をユーザー同士が「リブログ」という形で、自分自身のブログポストとして簡単に共有できるという特徴を持つ。ユニークユーザーは全世界で1000万人を超え、登録されているブログ件数も1億を突破しているほどの、巨大なサービスだ。

 記事にもあるように、Yahoo!がTumblrの買収に至った背景には、Yahoo!のソーシャルメディアやモバイル面の強化の狙いがあったと考えていいだろう。日本ではあまりイメージが浮かばないかもしれないが、モバイル向けの簡易的なインターフェイスを用意しており、スマートフォン用のアプリも比較的充実しているTumblrは、モバイルユーザーから高い支持を集めている。同サービスを買収し、自分たちのサービスの一部に組み込むことができれば、Yahoo!は少なくとも米国で、これまで若干手薄だったソーシャルメディアやモバイル戦略の成長を支援できるようになるだろう。Tumblrがメインのターゲットとしているユーザー層が、Yahoo!のそれよりも比較的若いことも、プラスに作用してくれるはずだ。

 Tumblrにとっても、大きなメリットを期待できる。同社は昨年から広告を表示し始めるなど、自分たちが提供するサービスでマネタイズすることに必死だったが、今年に入ってからTumblrへの訪問者は停滞、あるいは微減の傾向を見せていた。広告を中心としたマネタイズ施策が、良い方向に機能していないようにも見受けられている。

 今回Yahoo!に買収されることで、Yahoo!によってTumblrの広告枠のセールスが積極的に進められる可能性が高くなることから、広告ビジネスが上向き、収益性も高まってくるものと予想される。