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 元気な職場を作るのは決して難しいことではない。少しの工夫の積み重ねで、社員のやる気は高まり、組織は活性化する。ここからは各社の知恵と実践例に学ぼう。

決め技1:「幸せですか?」 遊び感覚で聞く

 アスクルのシステム部門のオフィス通路に、ひときわ目立つホワイトボード「Happiness Door(幸福の扉)」が置いてある。魔法のドアのように思われるかもしれないが、実はとても身近なものだ。

 「今日1日どのくらいHAPPYだったか? 教えてね~」。ボードには力の抜けた手書きの文字と、幸せ度合いを示すグラフが描かれているだけ。システム担当者は毎日、自分の気分に応じて、そのグラフにマグネットを貼る。

 平然と仕事をしていても、本当はハッピーでない日もある。明るく仕事をしているが、実は消沈してあまり話したくない。言葉にできない胸の内をマグネットでそっと表現する。

 「部員やパートナーであるシステム開発会社の担当者が、どれだけハッピーに仕事をしているのかを、遊び感覚で知りたかっただけ。アンハッピーにマグネットを貼った人がいれば、皆、自然と声をかけるようになってきた。想像以上に、明るい職場作りに効果があると思っている」。アスクルの池田和幸e-プラットフォーム・テクノロジー統括部長は、Happiness Doorを設置した理由と手応えについて笑顔でこう話す。

 「幸せかどうか」。こんなことを直接、聞くのも聞かれるのも抵抗があるもの。特に真面目で口下手が多いとされるIT人材はそんな傾向がある。Happiness Doorは言葉なしでも確実にコミュニケーションが取れる社会との扉と言える。

「今日1日ハッピーだった?」。アスクルはシステム担当者の「幸せ度合い」をホワイトボードで把握
「今日1日ハッピーだった?」。アスクルはシステム担当者の「幸せ度合い」をホワイトボードで把握
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