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 「最小限の労力で最大の効果を出す」(渡総合病院の佐藤賢治外科部長、佐渡地域医療連携推進協議会理事)のため、佐渡市の地域医療連携システム「さどひまわりネット」の構築プロジェクトでは、三つの工夫をしている。(1)医療機関の既存システムに手を加えないで、複数機関のデータを一元管理できる仕組みにする、(2)医師や看護師の業務を増やさず業務フローも一切変えない、(3)誰もが即座に使いこなせるようにマニュアル不要の操作性を実現する、である。

 (1)を実現するために、電子カルテではなく「レセプト」に着目した点については、前回解説した通りだ。(1)を実現するために、もう一つの工夫もしている。データ変換ロジックをサーバー側に実装することで、異なるメーカー間のシステムでデータを共有できるようにした点だ(図1)。現在は約30社50種類の医療関連システムのデータを集約・共有している。

図1●「さどひまわりネット」におけるデータ集約の仕組み<br>各施設に設置したノートPCでデータを集約し、データセンターに送信。コード変換によりメーカー間のコード体系の違いを吸収
図1●「さどひまわりネット」におけるデータ集約の仕組み
各施設に設置したノートPCでデータを集約し、データセンターに送信。コード変換によりメーカー間のコード体系の違いを吸収
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 レセコン(レセプトコンピュータ)や電子カルテなどの医療関連システムは、様々なメーカーが開発・提供している。そこで管理するデータ形式として、厚生労働省が定めている標準名称やコード体系、電子カルテの国際規格「HL7」などの標準規格はある。しかし、「メーカーや医療機関が独自に設定した“方言”が残ってしまい、そのままデータを集めるだけでは活用できない」(日本ユニシス ヘルスケアサービス部の原田一馬第一室長)。

 これを解決するために一役買ったのが、ニュージーランドのオライオン・ヘルスが開発した医療情報の統合管理ソフト「RhapsodyIntegration Engine」だ。各システムから転送されてくるデータを解釈し、事前に定義した変換テーブルを基に標準フォーマットに変換、データベースに格納する。変換ロジックや変換テーブルは簡単に修正できる。

 日本ユニシスは今回のプロジェクトに携わる前から、同ソフトの検証作業を行っていた。「このソフトがなかったら、佐渡島のモデルは実現できなかっただろう」と、日本ユニシスの八田泰秀社会基盤事業推進部長は説明する。

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