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中国連載の第2回は、「トーチ・プログラム」と呼ばれる起業家育成プログラムです。ブランク氏が「シリコンバレー並みに成長した」と絶賛する北京の起業家コミュニティの礎となった同プログラムを構成する、4個の要素について簡潔に説明しています。(ITpro)

 本シリーズ第1回目のブログでは、中国が科学技術インフラをどうやって構築したかを説明しました。今回は、中国政府が技術集団をどのように形成したかを説明します。

トーチ・プログラム

 その大きさと規模、商業化の実績において、中国科学技術部のトーチ(たいまつ)プログラムは、世界で最も成功したアントレプレナー・プログラムです。中国政府の全科学技術プログラムの中で、中国のハイテク・イノベーションとスタートアップを最初に始めたのが、トーチ・プログラムです。

 トーチ・プログラムは過去10年間で、中国国家の中央計画官僚体制から分離することに成功しました。中国の全てのイノベーション・プログラムの中で、スタートアップのように運営されているのはトーチ・プログラムだけであり、繰り返し実行しながら学び、発見し、ピボットしています。この結果、トーチ・プログラムが中国におけるグローバル経済を急進化させたのです。

 トーチ・プログラムは、「イノベーション集団」「技術事業インキュベーター(TBI)」「シード資金」「ベンチャー誘導資金」という4個の主要素で構成されています。

イノベーション集団

 関連企業が、ある一地域に集まっていると、その産業は競争上有利になります。その例は、映画産業のハリウッド、ファッション産業のミラノ、金融財務産業のニューヨーク、そして今は、技術アントレプレナーシップのシリコンバレーです。当初の産業集団は、思いがけない地理的あるいは歴史的な理由で始まりました。しかし理論的には、必要な資源を人為的に集中させ、財務支援と能力を臨界点まで到達させ、他の地域より恒久的に競走上有利にさせることができると考えられています。イスラエルとシンガポール、そして今、中国、合わせて3カ国が、その理論の実現を成功させました。

 トーチ・プログラムは、国有の科学技術産業パーク(STIP)、ソフトウエア・パーク、生産性推進センターを創成することで、イノベーション集団を創造しました。

 最初の科学技術産業パークは、北京の中関村科学パークです。そこは中国のシリコンバレーになりました(私は今回ここを訪れました)。中国は、北京以外にも全国53カ所に科学技術産業パークを創造し、約6万件の企業が創業し、800万人が雇用されています。特定の産業あるいは技術のイノベーション集団が、湖北省の武漢はオプトエレクトロニクス、上海のジアンジャン地域は半導体と医薬品、天津はバイオテクと新しいエネルギー、深センはテレコム、広東省の中山は医療機器とエレクトロニクスです。

中国全土に設けられた科学技術産業パーク(STIP)
中国全土に設けられた科学技術産業パーク(STIP)
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