PR
ユカイ工学 代表の青木俊介氏
写真1●ユカイ工学 代表の青木俊介氏

 店舗内で服のかけられたハンガ―を顧客が手に取ると、その服を着たモデルの写真がディスプレイに映し出され、コーディネイトされた状態を即座に見ることができる――。こんなシカケで話題になったチームラボの「teamLabHanger」(チームラボハンガー、関連記事)。これを実際に設計・開発したのが青木俊介氏(写真1)が率いるユカイ工学だ。

 青木氏が携わるハードウエアはとにかくユニークだ。例えば脳波測定センサーによって猫の耳が動く「Necomimi」(ネコミミ)。 2012年4月に実際に発売された製品だが、プロトタイプの段階から同社は関わっている。

写真2●IPA(情報処理推進機構)の2008年度上期未踏IT人材発掘・育成事業の支援を受けて製品化された「目玉おやじロボット」
写真2●IPA(情報処理推進機構)の2008年度上期未踏IT人材発掘・育成事業の支援を受けて製品化された「目玉おやじロボット」
[画像のクリックで拡大表示]

 IPA(情報処理推進機構)の2008年度上期未踏IT人材発掘・育成事業の支援を受けて製品化された「目玉おやじロボット」も同社の作品だ(写真2)。鳥取県の水木しげる記念館で、iPhoneのARアプリと目玉おやじロボットを使って妖怪を探しだすという期間限定アトラクションで使われたものだ。ARアプリも同社が開発している。

 そもそも青木氏は猪子寿之氏(チームラボ代表取締役社長)とチームラボを創業したメンバーの一人で、現在も取締役として同社に籍を残している。イラストコミュニケーションサービス「pixiv」を提供するピクシブのCTOも務めていた。こうした経歴からは、どちらかと言えばソフトウエアの印象が強いが、同氏が現在専念するユカイ工学の事業はあくまでもハードウエアの開発・設計が中心だ。青木氏にユカイ工学を設立したきっかけやビジネスモデルなどを聞いた。

(聞き手は大谷 晃司=ITpro


ユカイ工学を始めたきっかけは。

 もともとロボットを作りたいという思いがありました。大学では人工知能を研究するような学科に入り、そこで猪子君(チームラボ代表取締役社長の猪子寿之氏)といっしょになり、彼からベンチャーをやろうと誘われて。もともと大学に残って研究をしたかったんですが、98年、99年当時は、インターネットの勢いがすごい時期でした。ロボットで食べていける気はしなかったんですがネットなら何とかなるかも、ということでチームラボを始めました。

 その後、世の中的には気づいていないかもしれませんが、ロボットブームがあったんですよ。ソニーの「AIBO」の発売が2000年なんですね。ホンダの「ASIMO」の発表も2000年。その後二足歩行ロボットを戦わせる「ROBO-ONE」が始まりました。もともとロボットを作りたいという思いがあったので、これはうかうかしていられない、ハードウエアを作りたいとすごく思っていたときに、米国で「Make」(米O'Reilly Mediaの電子工作DIY雑誌)が創刊されました。2005年のことです。創刊号を米国の友人が送ってくれて、こういう状況を見てこれからはロボットやらないと、早くやらないと、と思ってチームラボを離れたのが2006年です。