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 ビジネス活用で考えると、ITの仕組みとしての担保も確かに重要ではあるが、本来は先に「顧客データの分析が収益向上に寄与するのか」を証明したいはずである。まずは粗くてもいいからやってみて、多少なりとも効果が出るのかを知りたいのではないか。

 その際、誰でもすぐに使えるユーザーインターフェースが備わったシステムではなくてもいい。まずは該当のテクノロジーを適用した際に、どの程度の効果が出るのかを把握したいだけである。

 今日の本題である。

 簡易的なシステムや仕組みを使って、ビジネス上の効果を試して検証していくアプローチである「PoBC(Proof of Business Concept)を紹介したい(図1)。

図1●PoBC(Proof of Business Concept)アプローチ
図1●PoBC(Proof of Business Concept)アプローチ
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 理想論で言えば、安価ですぐにできる範囲でやってしまう。それでどの程度の効果が出るかを見極める。実際の業務として回りそうなら、その煩雑で粗いプロセスでよいから回してしまう。

 一定の成果が出てきたら、成果に見合うだけのIT投資をして、誰でも使えるような、汎用的でなるべく自動化された仕組みを導入すればよい。

 実行しながら検証していき、それが良ければ採用する。しかも採用する際に、ある程度投資対効果(RoI: Return on Investment)が見えている。もしくは、試しながら得られた効果(=稼いだお金)で「セルフファンディング」しながら、大規模投資を行っていけばよい。

 セルフファンディングとは、先にリスクを追って大型投資するのではなく、初期投資は最小限に抑えて、そこから得られたリターンで次なる投資を繰り返し、成長していく考え方である。おそらくこの考え方が、前回紹介したA/Bテストなどに慣れている現在のマーケティング部門にはマッチする。

PoBCに基づくテクノロジー活用を考えよ

 近年はテクノロジーの進歩で、ハードが安くなり、ソフトも安価で強力なツールが出ている。ソフトはオープンソースでも高性能なものが出始めた。このような環境では、非常に安価でクイックにテクノロジー活用の試行錯誤ができる世の中になったといえよう。

 だからこそ、PoBCのような考え方が現実のものになる。そして、セルフファンディングのような理想的な投資が可能になるのだ。