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写真●JANOGの創設にかかわった近藤邦昭氏(まほろば工房代表取締役)
写真●JANOGの創設にかかわった近藤邦昭氏(まほろば工房代表取締役)
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 「技術者は外に目を向け、様々なコミュニティに参加し、人とのつながりを広げ、お互いを高めていく必要があると思います」

 国内のインターネット技術者の草分けの一人、まほろば工房代表取締役の近藤邦昭氏はこう語る。

 外に向かい、自ら情報を取りに行く。「インターネットが普及し、表面的には情報が沢山入ってきています。ですが、自分がレベルアップしていけばいくほど、本当に知りたい情報はそう易々とは入ってこないことが分かってきます」。

 こうした「自ら情報にリーチしていく」姿勢を近藤氏はネットワーク技術者になりたてのころから貫いている。

 近藤氏は1997年、国内のインターネット関連の技術者と運用者が参加するコミュニティ「日本ネットワーク・オペレーターズ・グループ(JANOG、ジャノグ)」を始めた人物だ。

 JANOGをつくるきっかけとなったのは、1990年代後半、英語が苦手ながらも米国で開催された「NANOG(North American Network Operators Group、ナノグ)」の会合に参加したことだ。もともと「人が集まってコミュニケーションをとる環境が好き」で、技術者のコミュニティには積極的に参加していた。

 当時のNANOGには米国を中心に世界中からインターネット関連の技術者が集い、技術的な議論をしていた。「日本にもこんなふうに活発に議論できる場が欲しい」と考えた近藤氏は早速、行動に移した。

 「当時所属していた会社でメーリングリストを始め、それを知人に伝えていきました」。こうしてスタートしたJANOGに続々と参加者や賛同者が集まった。それから15年、定期的にミーティングを開催していった。

 2013年1月24日~25日に開催された「JANOG31」の参加者数は950人超を記録し、ネットワーク技術者の代表的な交流の場になっている。

 近藤氏が外に目を向けることを勧めるのは、ネットワーク技術者が自分の実力を知り、高めていく良い機会とみているからだ。「会社内の相対評価ではなく、外に出て絶対評価を知ることが大切」という。

 外部のコミュニティに参加し、技術者と知り合いになれば、互いに切磋琢磨していくことができる。「JANOGを作ったときは、本会議よりも、人とのつながりを得る懇親会がメインだと言って活動していました」。

 近藤氏が創設に関わり、現在も運営に参加しているコミュニティは複数ある。たとえば、ソフトウエアルーター「Vyatta」について情報交換をする「日本Vyattaユーザー会」、クラウドやSDN(ソフトウエア定義ネットワーキング)など仮想化技術全般について議論する「仮想化インフラストラクチャ・オペレーターズグループ」などだ。いずれもネットワークの旬の技術を対象にしている。

 こうしたコミュニティに刺激を受け、スキルアップしていくネットワーク技術者が増え、さらに新しいコミュニティを生み出していく。近藤氏はそう期待している。


堀内かほり
日経NETWORK
 2002年日経バイト、2006年日経NETWORKに配属。現在は初心者向けにネットワーク技術を解説する記事の執筆が多い。中小企業の“ネットワークの現場”に関心がある。