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写真●ライフイズテックの水野雄介代表取締役
写真●ライフイズテックの水野雄介代表取締役
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 「IT教育を通じて中高生の可能性を最大限に広げる」「日本の教育を変える」――

 中高生向けのIT教育事業を推進するライフイズテックの代表を務める水野氏は、こんなビジョンを掲げる。その彼が “教育システム”としてベンチマークにしているのが、高校野球であり、芸能プロダクションのジャニーズ事務所だ。

 高校球児だった水野氏は、甲子園のスタープレーヤーたちがプロ野球やメジャーリーグに入って活躍する姿を、ライフイズテックが目指す方向の一つと考える。現在、高校球児の数は16万人といわれる。ITやデジタル教育を受ける中高生の数を、それを上回る20万人とするのが水野氏の当面のターゲットだ。

 高校球児16万人の中から田中将大投手(東北楽天ゴールデンイーグルス)やイチロー外野手(ニューヨークヤンキース)が生まれたように、ITを習得する学生を20万人規模まで増やせば日本や世界を代表するIT業界のスターが生まれると確信している。

 「まずはすそ野を広げて切磋琢磨しないことには、世界トップクラスのスターは生まれない」と水野氏は言う。

 一方、数十年にわたって多くのタレントを輩出するジャニーズは、若い才能をスカウトするだけでなく、歌やダンスなどのレッスンを積ませ、テレビから舞台まで個人の才能に応じた活躍の場を用意する。水野氏は同じような仕組みを、IT業界にも持ち込みたいと考えている。

 その一例が、彼と同志たちが2年前から始めた「Life is Tech!」と呼ばれる、中学生と高校生向けの「ITキャンプ(短期間のプログラミング講座)」である。春夏冬休み中の3~5日間、大学のキャンパスを活用して、中高生が一からプログラミングを学んでいく。既に1500人の中高生が受講し、一部の学生はコンテストで優勝するなど飛躍のきっかけをつかんだ。

 「キャンプに参加した子どもたちには、プログラミングを通じて、新しいサービス、製品を作る楽しさを体験してほしい。世の中に興味を持ち、その延長で新しいものを作り、成果を発表するプロセスを経験することが、成長につながる」

 こう信じる水野氏は「単にプログラミングのスキルを学ぶ場ではない」と語る。

 水野氏は、ライフイズテック(当初の社名はピスチャー)を設立してから数年の間に多くの経験を積み、たくさんの支援者と出会った。5月末に開催されたイベント「Edu×Tech Fes 2013」には、彼の活動を支援する元マイクロソフト日本法人会長の古川享氏やEvernote日本法人会長の外村仁氏、京都大学教授の飯吉透氏ら、そうそうたる顔ぶれが並んだ。

 水野氏は最近、2014年に開校予定の「インターナショナルスクール・オブ・アジア軽井沢(ISAK)」の存在を知り、目指す方向性に共感したという。ISAKが掲げるミッションは「グローバルで新たなフロンティアを創り変革を起こせるリーダーを育てること」。

 水野氏も、自身の目標を実現できる学校を作りたいと考え始めたようだ。筆者としても、彼のビジョンが現実のものとなり、多くの若者が才能を開花させてそれぞれのフィールドで活躍してほしいと願っている。


菊池 隆裕
ITpro/日経コミュニケーション
 複数の媒体で通信やネットを担当。iモードやiPhone/Androidの勃興をウォッチした経験から個人の創造力の可能性を感じ、その発表の場としてスマートフォン向けアプリのコンテストなどを開催。最近はスタートアップ企業の動向に注目している。