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写真●法政大学の藤代裕之社会学部准教授
写真●法政大学の藤代裕之社会学部准教授
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 「情報発信の楽しさ、メディア作りの楽しさを伝えていきたい」

 こう語る藤代裕之氏は国内のアルファブロガーの1人として知られる。2004年からブログ「ガ島通信」を執筆しており、ソーシャルメディアの研究・活用について著作も多い。

 さらにネット企業で新サービスの企画や研究・開発を担当したり、代表委員として日本ジャーナリスト教育センターを運営したりしてきた。2013年4月から法政大学の社会学部准教授に就任し、活動の場を広げている。

 藤代氏のキャリアは多彩だが、目的は一貫している。「情報発信者」の育成だ。

 「これまでのような新聞や雑誌の記者といった一部の人に限られることなく、ソーシャルネットの時代は誰もが情報発信者になることができる」

 こういう考えが根本にある。2012年にボランティアとして発刊に携わった「大槌みらい新聞」では、これまで地元の約400人に写真の撮り方や文章の書き方を教え、「町民リポーター」として記事を執筆・投稿してもらった。

 東日本大震災の被災地、岩手県大槌町の情報をサイトやソーシャルメディア、紙で全国に発信し、復興していく町の状況や毎日の暮らし、そして被災体験などを地元の人々の視線でとらえ、伝えている。

 「メディアを作ることが目的ではない。情報発信者を増やすための、いわばプラットホーム作りを目指した。できるだけたくさんの人に、メディアに参加できる喜びを味わってほしい。記事の内容については、地元ならでは雰囲気を重視している」

 今後は大槌町だけでなく、大学などさまざまな場所を舞台にして、多くの情報発信者を育成していきたいという。

 「ネットを使って個人が簡単に情報発信できるようになれば、それが新しいメディアになっていく。今までのメディアとは違う形態になるだろう。既存メディアのあり方も変わっていくに違いない」


大山繁樹
ITpro編集
 日経情報ストラテジーや日経ソリューションビジネス、日本経済新聞・電子版などに携わる。ITを活用した新しい経営手法について、多くの企業や経営者を取材・執筆してきた。