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 いよいよ、目前に迫ってきた夏の参議院議員選挙。「ネット選挙」が解禁されてから初めての国政選挙となるだけに、何がどう変わるのか高い関心を呼んでいる(図1)。

図1●総務省が公開した「インターネット選挙運動の解禁に関する情報」 http://www.soumu.go.jp/senkyo/senkyo_s/naruhodo/naruhodo10.html

 有権者にとっても、候補者にとっても、初めての経験となる「ネット選挙」について、今のところさまざまな誤解と勘違いが広がっている。連載ではインターネットなどセキュリティの観点からネット選挙にかかわる課題を整理するが、まずネット選挙を前に、その大前提となる心構えが、投票者と候補者のそれぞれにできているかを考察する。

「ネット選挙」を取り巻く大きな勘違い

 「私には関係ない。だって、ネットで投票なんかしないもの」――。ネット選挙という言葉が広まるにつれて、こうした声を何度か耳にした。

 筆者のまわりにも、同様の勘違いをしている人が何人かいた。しかし、もし自分には関係ないと思っているとしたら、それは大きな間違いだ。基本的に全ての国民に関わる非常に大きな変化であるため、自分にどのように関係してくるかを理解しておこう。

 一部の人は、「ネット選挙解禁」という言葉で勘違いをしている。実際に解禁されるのは、「投票行為」ではなく「インターネットを活用した選挙運動」である。

 そこまでは理解したうえで、「私には関係ない。だって、選挙に興味ないもの」――と、密かに思っている人がいるかもしれない。「どうせ、ネット選挙で自分に利益を誘導したい人が一生懸命なだけでしょ」という人もいる。しかし、たとえ関心がなくてもネット選挙に全く関係しないわけにはいかないのである。

 さらに「これまでもいろんな政治家や政党はSNSやホームページ、あるいはメールやメルマガで、自分たちの考えや経験、そして今後何を目指していくかなどを広く伝えているじゃないか」――。こういう人も多いだろう。

 上記の行為は、選挙運動ではなく政治活動と呼ぶ。政治活動とは、政治家や政党が自らの考えや活動の経過を伝えていくこと。自分や候補者の○○氏に投票してくれといった行動(選挙運動)とは違うのである。