PR

 今回から、筆者が2009年から全国各地で、青少年を対象に実施している「ネット関係インタビュー」の内容を報告する。

 筆者は、公立中学校に勤務していた2006年ころから、勤務地の大阪府寝屋川市近辺で、ネット問題に関するインタビューを断続的に実施してきた。教育行政に携わるようになった2009年からは実施対象を全国に広げた。最初は小中学生が対象だったが、最近は高校生や大学生まで対象を広げている。

写真1●スマートフォンを使う大学生

 時代の変遷に応じて、インタビューで聞かれる内容は変化してきたが、特にここ半年のスマホにかかわる内容を報告する。インタビューでは、特殊で深刻な事例を記載し、そこから今後の課題や対策の方向性を探って論考する方針で進めてきた。

 この連載は、小学校高学年から中高校生のスマホの利用について様々な課題と解決策を考えていくものだが、昨今の大学生の生の声を聴くにつれ、小中高生の将来の姿である大学生を見据えた論考が必要だと感じられる。そこで今回は本来の枠を超えて、大学生とスマホの現状について記すことにする(写真1)。

 多くの大学生は実にスマホをうまく活用している。様々な方法の検索にたけているし、コミュニケーションの取り方も実にうまい。あくまで数字は筆者の印象にすぎないが、90%は賢い使い方をしていると感じている。

 しかし、スマホに依存してしまっている残り10%の若者の実情は深刻である。「漫画やギャンブル、テレビゲーム――いつの時代も若者の一部は、特定のものに依存してきた。今回はその依存先がスマホというだけで、このスマホ依存騒動も一過性のものではないか」という指摘もある。

 しかし筆者はそうは思わない。それぞれのものに夢中になった若者を、教師として一般の人以上に身近で見てきた自負があるからかもしれないが、これまでのどの時代の若者の様子と比較しても、現在のスマホ依存の状況は深刻だと感じている。そのあたりを説明するため、まずインタビューに応じてくれた大学生の中で、ごく一般的な声を記載し、そこから考えてみたい(写真2)。

大学生の生の声から垣間見える「依存」の実態

写真2●大学生が使うLINEの画面

 「ツイッター、LINEは便利。僕らの学部の新入生200人のうち、150人が入学前にネットでつながっていたから、入学してからすごく楽だった。『はじめまして』って感じじゃなく、す~っと入れた感じ。その流れで新歓(新入生歓迎会)とかみんなで行けたし、今でもみんなつながっている」(大1男子)

 「私はガラケーだけど、スマホに買い換えるつもりはありません。今のままで満足です。私がガラケーでLINEとかそんなにしないのを知ってるから、(何かあった時に友達が)特別に知らせてくれるから困っていません。家でパソコンでチェックもしているから」(大2女子)

この記事は会員登録で続きをご覧いただけます

日経クロステック登録会員になると…

新着が分かるメールマガジンが届く
キーワード登録、連載フォローが便利

さらに、有料会員に申し込むとすべての記事が読み放題に!
有料会員と登録会員の違い