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写真1●米ツイッター共同創業者3人の1人、エヴァン・ウイリアムス氏
写真1●米ツイッター共同創業者3人の1人、エヴァン・ウイリアムス氏

 「利用者を増やすためにはデザインの重要性が増している。ここでいうデザインとは、ユーザー・インタフェースだけでなく美的な意味も含む」

 2007年11月、米ツイッターの共同創業者の1人であるエヴァン・ウイリアムス氏からこの言葉を聞いたとき、はっきりとは意味が分からなかった(関連記事:どんな機能をそぎ落とすかが重要)。いや、言葉の意味は分かったのだが、成長著しいソーシャルメディアを生み出した人物がデザインの重要性を説くという事実がすんなりと頭に入ってこなかった。

 来日していたエヴァン・ウイリアムス氏に会おうと思ったのは、世界を2回変えようとしている人物と直接話したかったからだ。彼はビズ・ストーン氏、ジャック・ドーシー氏とともにツイッターを創業しただけでなく、ブログサービスの創始者ともいわれる。

 ウイリアムス氏がTwitterに先駆けて、何人かとともに作ったブログサービスBloggerは、買収によって運営会社が米グーグルに変わったものの、現在も世界最大のブログサービスとして継続している。

 ブログサービスやTwitterを始めた人物の口から飛び出すのは、さぞやこちらを驚かすような技術や未来のビジョンかと思っていたのに、話の中心はデザインの重要性であり、彼が比較したのは時計産業だった。

 筆者の英語が下手で会話が盛り上がりづらかったのも一因かもしれないが、口調も物腰も至って穏やかで、こんな人物が世界を驚かせているのか、と拍子抜けしたものだ。

 ウイリアムス氏に会ってから2年後、2009年にビズ・ストーン氏、さらに4年後、2013年にジャック・ドーシー氏に会う機会を得た。これでツイッターに関しては3人の共同創業者全員から話を聞けたことになる。

 ストーン氏、ドーシー氏の発言についても、ウイリアムス氏のときと同じような違和感を繰り返し味わった。この違和感が本記事を書く動機になったと言ってもいい。

「技術に詳しくなくても、すぐに使い始めることができる」

写真2●米ツイッター共同創業者3人の1人、ビズ・ストーン氏(撮影:後藤 究)
写真2●米ツイッター共同創業者3人の1人、ビズ・ストーン氏
(撮影:後藤 究)

 ストーン氏は、Xangam、Bloggerという2つのブログサービスにかかわってから、ツイッターの共同創業者となった。彼は「TwitterはSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)ではな、“Search&Discovery”のメディア」だと表現し、次のように続けた(関連記事:“つぶやき”がコミュニケーションの概念を変えた)。

 「世界中に情報を発信し、世界中から情報を受け取れるというと、何か難しいことのように感じるかもしれません。でも、コンピュータやインターネットの技術に詳しくなくても、すぐにTwitterを使い始めることができます。ブログと似ていますが、はるかに簡単です」

 ここでも強調されたのは使いやすさであり、技術至上主義から遠く離れた考え方だった。インタビューの途中、リクエストに応えてTwitterアプリを表示したiPhoneの画面を正面に向け、気さくに写真撮影に応えてくれた彼の姿からも、偉大な起業家といった雰囲気は感じられなかった。