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 調査で明らかになったシステム運用の課題に、現場はどう対処しているのか。図1に、各課題への取り組み状況を示した。これを見ると、前回取り上げた人員/体制に関する課題への取り組みは、項目ごとにばらつきが見られた。例えばノウハウの属人化、特定スタッフへの業務の偏りに既に取り組んでいる企業はそれぞれ27.4%、24.9%と4分の1前後を占めたのに対し、人材育成や技術習得の体制については、それぞれ10.6%、6.1%にとどまった。

図1●課題への取り組み状況
図1●課題への取り組み状況
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 目を引くのは、「システムの老朽化」への取り組みだ。課題として挙げた企業の44.9%が「既に取り組んでいる」と回答し、「今後取り組みたい」まで含めると約9割に達した。

 PwCの薩摩氏は、システムの老朽化が進んだ昨今の運用現場について「古いシステムを使い続けることは、人員に高い負荷がかかる。属人化にも、業務の偏りの原因にもなっている」と指摘する。逆にいえば、システム老朽化の課題に取り組む現場が多いことは、属人化や業務の偏りを解消する取り組みも進むことが期待できそうだ。

 一方、取り組みの少なさが目立つのは「予算の確保」である。約半数の49.7%が「取り組みたいが、取り組めない」と回答した。前述したように、運用管理コストは既にIT関連コストの中で大きな割合を占めており、スリム化が求められているのが現状だ。さらなる予算の確保は現実的ではなく、既存の運用管理コストを最適化する取り組みが優先されていると見るべきだろう。

 運用プロセスの整備に関する取り組みも確認しておこう。「マニュアル/手順書の整備」については、「既に取り組んでいる」という回答が29.5%とシステム老朽化に次いで多く、「今後取り組みたい」という回答を合わせると8割を超えた。「災害時の体制/プロセス」「障害監視/リカバリーの自動化」についても、8割を超える企業が「既に取り組んでいる」「今後取り組みたい」と回答している。効率的な運用プロセスの整備に積極的なことが見て取れる。