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 IT関連コストの44.9%を占める運用管理コスト、そのスリム化は多くの企業で解決したい課題の一つだろう。しかし運用管理コストの削減は、闇雲に外注費の単価を下げようとしたり、特定の運用業務を廃止したりしても実現できない。「コストとシステムの品質は相関する。コストを下げて品質を保つには、高度なマネジメント能力を要する」とJX日鉱日石インフォテクノの上野氏は語る。

 闇雲なコスト削減に走るのではなく、コスト削減による品質低下のリスクを明らかにし、どのコストを削減するのかを見極めることが重要だ。このことを踏まえて、調査で明らかとなった運用管理コストの内訳データを見ていきたい(図1)。

図1● 運用管理コストの内訳と今後の見通し
図1● 運用管理コストの内訳と今後の見通し
人件費は22.3%で最もコスト比率が高い一方で、コストをかけられていないという回答も最も多かった
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かけられていない人件費

 運用管理コストのうち、最も比率が高いのは「人件費」の22.3%。次いで「保守サポート費(17.0%)」「リース料(11.5%)」と続く。

 それぞれのコストについて、その妥当性も聞いた。すると「コストがかけられていない」という回答が最も多かったのは、コスト比率が最も大きい人件費。これに「業務委託費/外注費(データセンター/クラウド)」「同(常駐SE 費)」が続いた。先に示した課題調査の結果では、人員/体制に関する項目が上位を占めた。人員を確保する、あるいは作業の一部を外部に回すことで、課題を解決したいという現場のニーズが表れた結果といえそうだ。

 一方「コストがかかりすぎている」という回答が多いのは「保守サポート費」「ライセンス料」「リース料」の順となった。この結果についてPwCの薩摩氏は、「保守サポート費は近年値上げするベンダーも多く、コスト比率が上がる傾向だ。レガシーなシステムであればこの傾向はさらに強まる」と指摘する。

 ライセンス料は、過去に行ったいわゆる“無駄買い”により、適正なライセンス管理ができていない企業でコストがかさむ場合が多い。IT分野のリースは、工業重機などに比べるとメリットが得にくいといわれる。対象機器がリース期間中に陳腐化してしまう恐れがあるからだ。

 これらのコストは、削減に向けた見直しを進める動きがうかがえる。保守サポート費を今後「減らす」と回答した企業は28.1%、リース料では20.7%、ライセンス料は17.0%と、多かった。保守サポート費やライセンス料の最適化を手始めとして、地道に削減効果の大きいコスト項目を整理していくことが、スリム化の第一歩といえそうだ。