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 2017年までにアジアではさらに15億件以上もモバイル接続数が増え、2019年には世界のモバイル接続の半数をアジアが占める――。この数字はM2Mを含めたものだが、こうした数字を背景に、モバイルの世界におけるアジアの重要度は高まる一方だ。第1回はMobile Asia Expo 2013のカンファレンスで紹介された各種データに焦点を当て、アジアのモバイル市場を見る。

中国市場は巨大すぎる「ガラパゴス」

写真1●Android搭載スマートフォンの検索窓は「百度」
写真1●Android搭載スマートフォンの検索窓は「百度」
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 Mobile Asia Expo 2013が開催される中国は、世界最大のモバイル市場であることはもはや誰も否定しないだろう。もちろん、その市場に参入するのはそう簡単なことではない。例えばAndroid搭載のスマートフォンを見ても、その一端がうかがえる。例えば検索窓。Androidの場合は、当然Googleが標準になると思えるが、中国で販売される製品は、Androidを搭載していても異なる。写真1は百度(バイドゥ)が標準に採用されている例だ。

 これだけなら単なるローカライズの一端とも思えるが、通信に関して中国国内でインターネットに接続する場合、VPNやローミングで通信している場合を除き、必ず「金盾(Great Firewall)」と呼ばれる検閲システムを通過する。例えば現地でSkypeを使う場合は、厳密には制度として「TOM-Skype」と呼ぶ中国企業との合弁企業が提供する「Skype」を使わなければならないことになっている。前述のGoogleの検索の場合、実際に検索しようとすると、http://www.google.co.hkにリダイレクトされる。ホテルなどで直接http://www.google.co.jp/を入力すると何度かは接続されるが、突然接続が拒否されることもある。

 以前、日本の携帯電話市場の閉鎖性を「ガラパゴス」と表現していたが、中国の市場もある意味「ガラパゴス」である。ただ、日本と異なり、そのガラパゴスがあまりに巨大であるため、ガラパゴスがガラパゴスでなくなり、独自だったものが“普通”になるようなことが起き始めている。TD-LTEはその一つの例に挙げられそうだ。また例えば当時の日本の携帯電話メーカーは国内市場ばかりを見ていたが、中国の携帯電話メーカーは国内の巨大市場のみならず、コスト的に優位な点もあって積極的に海外に進出。世界的メーカーとして成長している。

 ネットの状況は2010年に米Googleが中国でサービス提供していたGoogle.cnを停止したときとそれほど変わっていないようだが、市場があまりに巨大すぎるため、Googleのような一部の例外を除き、現地企業と合弁や提携をするなどして、例えば米Microsoftなど多くの企業がサービスを提供。数の力には抗えない状況になっている。