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 これまで、アンケートやインタビューから、10代がスマートフォン(スマホ)とどうつきあっているかについて概観してきた。今回から具体的に、この社会で生きる大人としてスマホの功罪をどうとらえ、どういう対策が必要かについて考える。各学校での対策、大学での試み、企業の啓発活動、政府を含む行政の取り組みなどを見ていく中で、最終的に大人として、特に親としてどう対応するかを検討してみたい。

 今回はたたき台として、筆者の研修室に集まっている「ソーシャルゲーム研究会」の大学生たちの活動を紹介しよう。年齢が近い大学生だからこそ、中高生たちの立場からの手助けを考えて、取り組みを具体的に始めている。筆者を含む親世代にも参考になるはずだ。

中高生のスマホ利用の実態に関心が移る

 筆者の研究室には、主に教職を志望する大学生たちがよく顔を見せる。その多くは2012年前期の集中講義「生徒指導論」の受講生たちで、理学部や工学部、経済学部、環境人間学部などに所属している。最近、筆者のゼミ生が合流したので位置づけは少し変わってきたが、基本的に筆者と何の上下関係もない大学生たちである。

 学生たちは当初、千葉大学教育学部藤川大祐教授が理事長を務める「企業教育研究会」(通称ACE)の活動に興味があって集まっていた。最近は毎週木曜日の夜に自主的に集まり、教員採用試験の勉強や模擬授業、読書会などに取り組んでいる。

写真1●兵庫県立大学のソーシャルゲーム研究会

 そんな大学生たちが、2012年秋に「ソーシャルゲーム研究会」(会長:経済学部3回生の下木なつみ)を立ち上げた(写真1)。もともとは筆者が学生にスマホの最新事情を聞くために集まってもらっていた場だが、一部がスマホにかかわる問題に興味を持ち「ソーシャルゲームを切り口に若者文化について考えたい」と言い出して、研究会を発足させた。筆者は最初の話し合いのときから、学生たちの問題意識の高さに驚かされている。

 大学生たちの関心は当初は大学生自身のスマホの利用にあったが、教職志望の学生が多いためか、徐々に中高生のスマホ利用に移行していった。

 まず大学生たちは中高生のスマホ利用の実態調査をすることにした。

 筆者はこれまでの流儀に倣って、まずアンケート調査(自由記述→択一式)をして、そこからインタビュー調査に発展させようと考えていた。ところが大学生たちは、「自分たちは高校生のことをよくわかっていないので、まず高校生自身から話を聞きたい」と言い出した。