PR

 前回は、スマートデバイスそしてクラウドストレージが、企業のビジネススタイルを大きく変える可能性があることを解説した。今回は企業でスマートデバイスを利用する際の、セキュリティリスクについて考えていきたい。

スマートデバイスがもたらす利便性とリスク

 スマートデバイスとクラウドストレージによる業務改善例として、IT系企業のA社が取り入れた新型システムを解説する。

 A社では、営業・SE業務の効率化のため、スマートデバイス(タブレット)とクラウドストレージが連携する業務支援システムを構築した。

 A社ではそれまで営業・SEが顧客を訪問する際には、そこで利用する資料の作成や印刷などの準備が必要となり、訪問後には議事録を含む報告書作成などの作業が必要になっていた。これまでは社内にあるPCで作業していたため、効率が悪く、数行の議事録を送付するだけのために、1度帰社する例もあったという。

 A社はシステムを構築し、スマートデバイスの導入により、訪問前の資料の印刷は最低限のものに限定し、必要な資料は訪問先でクラウドストレージにアクセスしてタブレットに表示させるようにした。訪問後の報告書作成もタブレットから作業できるよう、報告書をWeb上で編集して、関係者に展開する機能を導入。オフィスに戻らなくても報告書を作成できるようにした。さらに社内関係者のスケジュールやメールの確認なども、タブレットを利用して社外からでもできるようにした(図1)。

図1●A社のクラウドと連携したスマートデバイスの導入事例

 A社の例は、かなり先進的なものといえる。スマートデバイス(タブレット)とクラウドの連携によって、業務のスピードアップと効率化を実現し、今まで社内でしかできなかった作業を、社外からでもインターネット経由でできるようにしたからだ。ただし、こうして手に入れた利便性と同時に考えなければならないのが、セキュリティリスクだ。

 セキュリティリスクは、モバイルPCの普及時にも存在していた。しかし昨今のスマートデバイスの急速な普及に伴い、その危険性は急速に高まっている。スマートデバイスを業務で利用した場合のセキュリティリスクは、社内でのセキュリティリスクと社外でのセキュリティリスクの2つ場面にある。