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 2013年の夏モデルのうち、特定の2機種だけを積極的にプッシュして販売するNTTドコモの「ツートップ戦略」。従来どの機種も平等に力を入れて販売する同社の戦略が大きく転換したことから注目を集めた。しかし、6月の純増数はマイナスに転落している。果たして、同社のツートップ戦略は失敗だったのだろうか。

ツートップ戦略後もNTTドコモの減少傾向は変わらず

 NTTドコモは、2013年の夏商戦向けモデルとして発表した11機種のうち、「Xperia A SO-04E」と「GALAXY S4 SC-04E」の2機種を“一押し”として、大幅な割引施策を打ち出す「ツートップ戦略」を展開した。従来、同社は特定機種を前面に出すといったことはせず、全ての機種を平等に扱う戦略をとっていた。しかし、ツートップ戦略は、この長く貫いてきた方針を覆すものだったことから、大きな注目を集めることとなった。

 ツートップ戦略が今夏の販売戦略上、非常に大きな影響をもたらしたことは確かだ。6月18日に開催されたNTTドコモの株主総会で、Xperia Aは発売後約1カ月で、累計販売台数がおよそ64万台に、一方、GALAXY S4も約32万台に達したと発表した。その後、両機種はそれぞれ約80万台、40万台を超えたと報道されており、ツートップに指名された2機種の販売が大きく伸びていることが分かる。

 しかしその一方で、電気通信事業者協会(TCA)が発表した携帯電話事業者別純増数を見ると、夏商戦が本格化した6月はソフトバンクモバイルが24万8100、auが23万2200の純増を記録する一方で、NTTドコモの純増数は5900のマイナスとなっている。同月の携帯電話番号ポータビリティ(MNP)の利用者数を見ても、KDDIが8万5300、ソフトバンクモバイルが5万9900の増加であるのに対し、NTTドコモはなんと14万6900のマイナスと、流出傾向に歯止めはかかっていない。

 6月の加入者数推移が公表され、従来と変わらず、NTTドコモが他社にユーザーを奪われている図式が明らかになったことから、「NTTドコモのツートップ戦略は失敗だった」との声も聞かれている。しかしここで、忘れてはならないことがある。それは、そもそもツートップ戦略の主たる目的は、純増数やMNPの改善ではないということだ。

大きな注目を集めたNTTドコモの「ツートップ戦略」。2機種の販売数は大幅に伸びているが、MNPの流出防止にはつながらなかったことから、失敗の声も聞かれるようになった
大きな注目を集めたNTTドコモの「ツートップ戦略」。2機種の販売数は大幅に伸びているが、MNPの流出防止にはつながらなかったことから、失敗の声も聞かれるようになった
大きな注目を集めたNTTドコモの「ツートップ戦略」。2機種の販売数は大幅に伸びているが、MNPの流出防止にはつながらなかったことから、失敗の声も聞かれるようになった
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