色々な解釈があるが、日本でソーシャルメディアが本格的に企業のビジネス活動に使われはじめて、もう4年ほどが経過している。それ以前からもソーシャルメディアは存在しているし、個人のみならず企業としても何らかの形で利用してきた。
日本のブログサービスが2003年ころにサービスを開始したという理由で、「今年はブログ10周年」といわれている。当時から一部の企業では、ブログを何らかの形でマーケティング活動に活用することを、試行錯誤を含めて取り組んできた。そもそも「ソーシャルメディア」という語も、既に5~6年ほど前から語られるようになってきている。
ただ、実際に日本の企業がソーシャルメディアを活用したマーケティング活動、すなわち「ソーシャルメディアマーケティング」に取り組み始めたのは、約4年前からとなるだろう。当時は日本でTwitterが徐々に使われるようになったばかりで、企業がそれをマーケティング方面にどう役立てるかについては、数多くのトライ・アンド・エラーが繰り返されていた。
こういった試行錯誤が始まって久しいが、はたして本当にソーシャルメディアは、企業のマーケティング活動の中でしっかり活用されているのだろうか? 米マサチューセッツ工科大学スローン経営大学院が、このテーマで調査に乗り出した。世界の99カ国、25業界の2545社にソーシャルメディアの活用に関する質問をしてその結果をまとめている。
調査結果は「Social Business: Shifting Out of First Gear」と題された論文になっており、ソーシャルメディアビジネスのリーダー的存在の人や、30人以上の経営者へのインタビューなどを含めて読み応えのある内容になっている。この調査で導き出された結果から、ソーシャルメディアが本当に企業で「活用」されているのかどうかを考えてみた。