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 前回紹介したThinAppやApp-Vといったカプセル化によるアプリケーション仮想化は、パッケージソフトから内製ソフトまで幅広く使えるが、弱点もある。最も需要が高いと思われるInternet Explorer(IE) 6のカプセル化を、マイクロソフト(MS)が認めていないことだ(写真1)。

写真1●マイクロソフトは単一のWindows上でInternet Explorerの複数バージョンを実行することを認めていない
写真1●マイクロソフトは単一のWindows上でInternet Explorerの複数バージョンを実行することを認めていない
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 MSはこれまでも、OSの機能の一部であるIE 6のカプセル化は、OSのライセンス規約上認められないとの方針を打ち出していた。日本マイクロソフト Windows本部 Windowsコマーシャルグループの寺田和人シニアマネージャーは「カプセル化の手法では修正パッチが当たっていないIE 6を使い続けることになり、セキュリティリスクが高いことを認識してほしい」と呼びかける。

 日本では、最近までこの問題はほとんど知られていなかった。複数のITベンダーは「話題に上り始めたのは2012年後半から」と証言する。既にIE 6をカプセル化して利用している企業も多いという。

 当のユーザー企業も、「(パッケージソフトである)OfficeはOKだが、IE 6はダメ」という状況に戸惑いの色を隠せない。実際にカプセル化したIE 6を使っているあるユーザー企業の担当者は「(ThinAppを提供する)ヴイエムウェアとMSの間で解決してもらうほかない」と困惑気味に語る。

 双日システムズは2013年5月、「ライセンス問題に抵触しない」ことをうたう互換ブラウザーの提供を始めた。このブラウザーは、IE 8以降が搭載する互換表示モードを呼び出す仕組みで、Webアプリケーションごとに互換表示モードを使い分けやすくなる。ただし、もともと互換表示モードでは動作しないWebアプリケーションでは効果がない。

 XPのサポートが終了した後も、このIE 6のライセンス問題は当面尾を引きそうだ。