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写真●スマホで利用するメッセージアプリ「LINE」

 2013年7月28日、山口県萩市で大雨で川が氾濫した。一部の報道によると、地元の高校生たちはメッセージアプリの「LINE」を使って、地域の人たちに避難を呼びかけるなど、災害情報を伝えた。通行止めなどの情報は、ほかの報道などに比べてLINEの方が早く伝わったという。

 この連載では、スマートフォン(スマホ)とその上で動くLINEなどのアプリが10代の青少年に及ぼす影響を書き連ねてきた(写真)が、こうした側面で使われたことも共有すべきと考えあえて触れてみた。

 子供とネットにかかわる報道では、先週新聞やテレビなどで、厚生労働省の研究班(代表・大井田隆日本大学教授)の調査結果として、「ネット依存の中高生52万人」という内容が取り上げられた。これまで本連載でスマホ経由でインターネットにかかわりあう子供たちについて記載してきた筆者にとっても、興味深い調査結果だった。

病的な利用と認定されたのは全体の8.1%

 2012年度の調査では、全国の中学校140校と高等学校124校の14万人に調査票を送り、約10万人の有効回答を得たという。調査の結果、ネット依存が強く疑われる「病的な使用」と認定されたのは8.1%で、これを全国の中高生数に換算すると、「病的な使用」にあたる学生がが51万8000人いると推定した。

 約52万人と聞くと非常に大きな数字に思えるが、全体の8.1%だと40人学級なら3人強。筆者は、ネットに依存する中高生の割合はもっと高いと感じている。

 特に最近の中高生の利用法を見ていると、日本でのインターネット依存は携帯電話、特にスマホに偏っている傾向があると考えている。新聞報道にあった厚生労働省の調査の質問文を読んだ限りでは、どちらかというとパソコンでのインターネット接続をイメージするが、携帯電話やスマホでのインターネット接続を含めたニュアンスの質問に改めると、回答傾向は変わっていたように感じられた。関西で情報モラル教育に古くから積極的に取り組んでいる大阪府高石市の羽衣学園高校の米田謙三教諭も、ほぼ同意見であった。

 海外でも国内でも、これまでのインターネット依存の研究は、パソコンを念頭に置いている場合が多かった。例えば韓国で、若者のオンラインゲーム依存が社会問題になったのは記憶に新しいが、その調査もパソコンの利用が前提だった。しかしパソコン並みのサービスが充実し、ユーザーが肌身離さず持ち歩くスマホの利用が世界的に広がる中、ネット依存はさらにスマホの利用により増幅され、社会問題化する可能性がある。「スマホ依存」が、重要な文言になっていきそうである。