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 何年か前の話です。5月ごろにある人と名刺を交換しました。名刺にはこうありました。

○○株式会社
人事部付
新入社員

山田 太郎

 まだ入社して間もない人事部付の新入社員でした。

 その企業では、新入社員研修を受講中の新人を外の人間と積極的に引き合わせていました。現場への配属前でしたが、社会人としての自覚を持たせるために、名刺を刷ったとのことです。

 当の新入社員たちに聞いてみると、

「ちゃんと名刺を作っていただけたので、とてもありがたいと思ったし、しっかりしよう!と、いい意味で緊張しています」

と、名刺を持たせることがモチベーションにつながっているようでした。私も新人時代、最初に名刺ひと箱を支給された時にとても嬉しかったことを思い出しました。

「新人」だとアピールする

 別の企業の話です。こちらから電話をかけたところ、最初に出た人がこう言いました。

「○○株式会社 新入社員の××です。いつもお世話になっております」

 私が話したい相手に替わってもらい、要件を話した後に「最初に電話を取った方は『新入社員の』と言ってましたね」と言うと、理由をこう話してくれました。

「新人のうちは、どうしても相手に失礼な言い方をしたり、電話機の操作に失敗して電話を切ったりしてしまったりすることがあります。『新入社員の』と言うようにすれば、多少はお目こぼししてもらえるのではないかと考えたんです」

 この説明を聞いて、なんか微笑ましく感じたものです。

 失敗を大目に見てもらうためでなく、顧客や取引先といった利害関係者に売り込むために、「彼・彼女がウチの新入社員の◎◎です。以後、お見知りおきください」などと紹介しているマネジャーもいました。

 一般に、誰でも「新顔」に興味を持つものです。「ウチの新人です」と紹介しておくと、相手に早く覚えてもらえます。そうなれば「利害関係者と関係を構築するための第一歩を早めに踏み出せるようになるんですよ」と、そのマネジャーは話していました。