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 2回目に伝えたように、プノンペン市内では携帯電話については、ほとんど問題なかった。今回は、急速に発展を遂げるカンボジアのICTインフラを、電力事情なども含めて幅広くみてみよう。

 ICTインフラの代表といえるではインターネットの活用も、街中では普通の利用ならばほとんど問題なく、料金も手頃なようだ。時間帯による混雑の不都合も感じなかった。

写真1●プノンペンのショッピングモールにあるパソコンなどの売り場
写真1●プノンペンのショッピングモールにあるパソコンなどの売り場
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 日曜日の午後にプノンペンのショッピングモールの中にあるパソコンなどの量販店を訪ねると、店舗のサイズは小さいとはいえ、日本と同じように多くの人でにぎわっていたのが印象的だった。それだけICTに対する需要が高いのだろう(写真1)。こうした旺盛なニーズを支えているのが、インターネットの強固なインフラと思われる。

 オフィスのICT環境はどうか。現時点では、メールをはじめとするインターネットの利用では、回線速度の遅さは感じられない、と聞いた。

 ただし、日系の大手メーカーの現地子会社を訪問するとまず驚いたのは、世界的にも著名な企業でありながら、今までパソコンは個人の持ち込みで運用していることだった。

 最近になってシンガポール拠点の支援を受けてサーバーを導入するなど、社内のICTインフラを整備したという。現地の従業員のITスキルはまだこれからという段階で、70人ほどの陣容(うち日本人は2人)の事業所のICT活用は最低限のレベルにとどまるようだ。

写真2●デジタルサイネージも見かけるようになった
写真2●デジタルサイネージも見かけるようになった
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 空港はもちろん、街中ならどこでも気軽にWi-Fiを利用できるプノンペン市内でありながら、オフィスのICT活用があまり進んでいないのは意外な気もするが、逆にICTベンダーにとってはビジネスチャンスだろう。カンボジアの今後の経済発展とともに大きく動くに違いない。

 プノンペン市内では、デジタルサイネージもいくつか見かけた(写真2)。

 立て看板的なもののほか、ビルの壁面に大型のスクリーンが設置されているものもあった。筆者がミャンマーのヤンゴン市内に立ち並ぶ単なる大型看板のディスプレイ広告を見たときの光景とは対照的だった。インフラが整っているためか、ICT活用に対する意欲は高いようだ。

停電の発生は少ないが電気料金に難あり

 ICTインフラの維持に不可欠な電力事情についても調べてみた。筆者はこれまで何度もカンボジアを訪れているが、一度も停電が起こったことはなかった。だが聞くと、やはり暑い時期には時折、停電があるそうだ。しかし毎日のように停電が起こるミャンマーに比べればかなり少ないようである。

 それでも停電に備えて、オフィスなどではUPSを設置しているところもあるようだ。実際、各地の経済特区でも自家発電は用意されていた。

 電気料金はそれほど安くない。メコン川の水力を使った発電で「インドシナのバッテリー」と呼ばれる隣国ラオスに比べ、2~3倍といわれる。プノンペン在住の日本人の話でも、電気料金は日本とあまり変わらないそうだ。

 カンボジアはエネルギーを輸入に頼るために高価格になりやすい。同様にガソリン価格も安いとはいえない。2013年6月中旬に訪問した際、ガソリンスタンドの表示では1リッターあたり5300~5500カンボジアリエル(1米ドルで4000リエル程度)だった。