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 IT系のベンチャー企業、特にB2C系のサービスにおいてはクラウド、モバイル、ソーシャルネットワーキングといった潮流の中で、若手起業家が奮闘している。将来の成長が期待される「ベンチャー」と言えば、若手の専売特許のような印象もある。

 そんな中、B2Bの世界でもB2Cと同じようにクラウドやモバイル、ソーシャルといった動きが加速。これをチャンスととらえたB2B系のITベンチャーが生まれており、その中には“シニア”とも言える起業家がさらなる成長を目指して活躍している。50代、60代といったこの世界では比較的高齢なベンチャー企業経営者は、どのような考え方で投資家から出資を受け、企業の成長に取り組んでいるのだろうか。

 この特集では、クラウド型の人材管理ソリューションを提供するチームスピリット、クラウド型地図連携ツール「Orkney GeoGraph」などを提供するオークニー、そして会計事務所向けシステムをクラウドで提供するアカウンティング・サース・ジャパン(A-SaaS)の3社を紹介する。いずれも50歳以上の経営者がさらなる成長を目指して経営の舵を握る。チームスピリット代表取締役の荻島浩司氏は53歳、オークニー代表取締役である森亮氏は50歳、そしてA-SaaS代表取締役社長の森崎利直氏は66歳である。

セールスフォースのシナジー投資がシニアを後押し

 各社に共通するのは、いずれも米セールスフォース・ドットコムからの出資を得ている点だ。

 経営陣などの出資を除くと、チームスピリットは米セールスフォース・ドットコム、日本ベンチャーキャピタル、ニッセイキャピタル、SMBCベンチャーキャピタル、みずほキャピタル、サンブリッジグローバルベンチャーズから(関連記事)、オークニーは米セールスフォース・ドットコム、みずほキャピタルの運営ファンドである「みずほ成長支援投資事業有限責任組合」から、そしてA-SaaSは米セールスフォース・ドットコム、グリーベンチャーズ、モバイルインターネットキャピタルから出資を得ている(関連記事)。

 もちろんセールスフォースは“シニア”を選んで出資しているわけではない。ユビレジのように若手経営者のベンチャー企業にも出資している(関連記事)。経営者の年齢に関係なく、共通するのはB2B系のベンチャー企業である点だ。同社のCorporate Development & Strategy担当のSenior Vice PresidentであるJohn Somorjai氏は日本での投資目的ついて以前、次のように説明していた。

 「我々の投資の最大の目的はエコシステムをさらに強化すること。企業買収や投資によってエコシステムを強化し、その結果、その技術を用いた製品を新たに展開することができるようになる」(関連記事:「ソーシャル」「モバイル」「クラウド」利用環境が日本の強み、これからも果敢に日本で投資)。

 セールスフォースの投資は、同社の事業とのシナジーを求める投資であり、国内でも急速に進むB2B向けサービスのクラウド化の流れに与しやすい。さらにB2Bの場合、業界特有の商慣習や業務知識などが必要となるため、若手がゼロから新規参入するよりも、現場でのビジネス経験が豊富な“シニア”が起業しやすい分野であるとも言える。