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 2013年7月、日立システムズに吉報が舞い込んだ。介護事業者向けの「GNEXT養老事業管理システム」が、中国で初めて売れたのだ。導入を決めたのは、中国東北部の遼寧省にある鞍山祥頤園老人ホーム(図1)。2年間に及ぶ、市場調査とソフトの現地向けカスタマイズの努力が結実した。

図1●GNEXT養老事業管理システムの画面(右)と鞍山祥頤園老人ホームの外観
図1●GNEXT養老事業管理システムの画面(右)と鞍山祥頤園老人ホームの外観
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 GNEXT養老事業管理システムは、日本国内の介護・福祉事業者に提供している「福祉の森」シリーズを基に開発した。福祉の森シリーズは、介護・福祉事業者の事務処理やスタッフの現場作業を支援する基幹システムである。福祉施設や介護施設など様々な形態に対応しており、5000施設以上の導入実績を持つ。

 このシステムから、中核となる介護サービスの管理機能だけをまずは中国語化。上海で営業をスタートさせた。

 並行して、「上海宝山区金色晩年敬老院」という500床規模の介護施設をモデルユーザーに、医療分野に強い中国IT企業「上海万序計算機科技」と組んで、機能の過不足を検証した。

 その結果、医薬管理など中国独自の機能を追加する一方、既存機能の一部は必要ないと判断、削減した。その後、2013年4月から「上海市第三社会福利院」で、同年6月からは「瀋陽市養老服務中心」で、試験導入を続けてきた。

335万床増える市場に着目

 日立システムズが中国の介護事業者向けビジネスに目を付けたのは、中国の介護市場が拡大しているからだ。

 中国民生部は2015年までの「第十二次五カ年計画」の期間に、高齢者介護施設を約315万床から650万床にまで増やす方針を掲げている。さらに2016年からは上海市で介護保険制度がスタートするという情報もある。

 一方で、「ITを使えば介護サービスの効率や品質を高められるという認識がまだ普及してない」と日立システムズ福祉システム営業本部の田中正太本部長は分析する。そこに商機を見出した。

 「まずは600程度の介護施設がある上海で、2015年度末までに50%のシェア獲得を目指す」(田中本部長)。中長期的には、中国全土で10%のシェア獲得に挑む。