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 顧客接点となるATMの利便性をより高め、顧客満足度と利用頻度を向上させる---。準グランプリを受賞した大垣共立銀行はこの戦略強化に向け、ATMサービス向けのシステム基盤を構築し、手のひら静脈認証システムを導入した。これによりキャッシュカード不要のATMを実現した。

 ATMサービスを支えるシステム基盤「Web-ATM」は2011年11月に本格導入した。勘定系ホストと連携してATMサービスを提供するためのソフトをWebサービスとして開発し、データセンターで一元的に運用する。600台を超えるATM端末から、このソフトを遠隔利用する。

 Web-ATMでは、センター側のソフトを変更すれば新機能に対応できる。「新たな金融商品やサービスを適切なタイミングで提供していくには、ソフトの改修内容をATM端末に素早く反映する仕組みが必要だった」と、増田明久システム部長は語る。

 Web-ATMの利点はほかにもある。ATM操作中の空き時間に広告・告知を掲載するサービスでは、営業店舗や地域ごとにカスタマイズして情報を配信したり、顧客の資産状況や年齢に応じて商品情報やキャンペーン情報などを提供したりすることができる。

 さらに、顧客自身がATMの操作メニューをカスタマイズできる機能も持つ。ATM端末上で任意の取引メニューを選択し、それを呼び出すボタンをメニュー画面に自由に配置できる。「個人向け国債の取引ボタンを並べる」「『3000円を引き出す』『1万円を引き出す』といったボタンを配置する」などの設定が可能だ。

 Web-ATMに加え、もう一つの強化策である手のひら静脈認証システムの構築により「カードレスATM端末」を実現した(図1)。通帳やキャッシュカードが無くても、手のひらをかざすだけで預金の引き出しや預け入れ、残高照会ができる。このカードレスATM端末を導入したのは日本では初めて。世界でも2例目だ。

図1●手のひら静脈によるカードレスATMの操作手順
図1●手のひら静脈によるカードレスATMの操作手順
手のひら静脈データと生年月日、口座の暗証番号を組み合わせて顧客を認証する
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 「銀行業務全体で通帳などが無くても取引できるようになるだろう。手のひらをかざすだけで交通機関に乗れたり、買い物ができたりする時代も遠くない」。受賞にあたり、臼井猛常務取締役はこのシステムの未来像について力強く語った。