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 ビッグデータがもたらす変化の本質を、豊富な事例と共に描き上げた一冊。著者は英オックスフォード大学の著名なインターネット研究者と英エコノミスト誌のエディターである。クラウドによる転換を描いた、ニコラス・G・カー「クラウド化する世界」のように、本書もビッグデータによる変容を的確に捉えた象徴的な本になるだろう。

 筆者らは、ビッグデータによる変化の本質は3つあるという。「すべてのデータを扱う」「量さえあれば精度は重要ではない」「因果関係ではなく相関関係が重要になる」という点だ。つまりビッグデータによって膨大なデータを処理すれば、これまでのようにデータ収集前に仮説を考え、分析する必要がなくなる。いわばブラックボックスとして結果だけを扱えばよいわけだ。

 本書では、このようなビッグデータによる予測が、「データ独裁の犠牲者を生むリスク」にまで言及する。あらゆる面で必読と言える内容だ。

ビッグデータの正体


ビッグデータの正体
ビクター・マイヤー=ショーンベルガー 著
ケネス・クキエ 著
斎藤 栄一郎 訳
講談社発行
1890円(税込)


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