PR

 次に点数表示について説明する。入力件数や業務実績など、利用者の活動を数値化して見せることだ。「数値化することは、テレビゲームのみならず、スポーツ競技など広い意味でのゲーム全般に共通する事項だ」(ガートナーの志賀氏)。

 点数が表示されると、利用者は「自分がどれだけの点数を獲得しているのか」「他の利用者と比べて自分はどう位置付けられるのか」が分かる。それらがはっきりすると、利用者に向上心や競争心が芽生えやすい。こうしてシステムの利用を活性化させる。

 電通国際情報サービスが販売するアイデア管理システム「Spigit」でも、点数を表示させ、利用者の向上心や競争心に訴える機能がある(図1)。

図1●電通国際情報サービスが販売するアイデア管理システムの点数表示
図1●電通国際情報サービスが販売するアイデア管理システムの点数表示
「アイデアがどれだけ採用に近づいているか」や「アイデアが次の段階に進むための条件」を図で示している
[画像のクリックで拡大表示]

 Spigitは、アイデア管理に特化したSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)システムである。利用者がアイデアを投稿すると、他の利用者がそのアイデアについて評価したり意見を書き込んだりできる。議論を通じてアイデアを成熟させていく。

 「アイデア管理システムで重要なのは、より多くの社員からアイデアの投稿やコメントが入力されることである。さらに、アイデアの投稿者がモチベーションを高く保って、アイデアに磨きをかけていくことも重要だ。これらを実現するために、点数表示の機能が必要になる」(電通国際情報サービス ビジネス統括本部 クラウドビジネス開発部 イノベーション推進グループ マーケティングプロフェッショナル 高橋由洋氏)。

全体の中の個人の位置を見せる

 Spigitでは、アイデアの採用までに、複数のステージを設ける。例えば、評価やページビューが一定数集まると1stステージから2ndステージへ進み、経営層が承認すると採用に至る、といったように設定できる。

 このとき、「全体における個人の現在位置を図示」する機能がある(図1左)。競争心に訴えて、提案者のモチベーションを維持する効果がある。

 また、個々のアイデアについては、「次の段階に移るために必要な点数を表示」する(図1右)。利用者に「あと少しで次に進める」と思わせることは、ゲームを続けさせる常套手段である。次の段階に進むための条件が厳しいと諦めてしまうが、「もう少しで届きそう」と思うと努力するものだ。この利用者心理を応用して、モチベーション維持につなげる。