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 コンビニのお客を分析して、好みの映画やレストランに案内するため、割引券を発行。TポイントやPontaなどビッグデータを使ったポイントカード事業は、大量の顧客に個別のクーポンを発行して、異業種の連携を目指す。

 しかし、こんな世界を既に実現している会社がある。静岡県西部を地盤にする遠鉄グループだ。遠州鉄道(静岡県浜松市)を中核に百貨店、バス、ホテル、スポーツクラブと幅広い事業を手掛ける。商圏は120万人ほどとさほど大きくはないが、人々の暮らしに深く入り込んでいることが強みだ。

 深く入り込む切り札が、商圏における普及率が4割近くに達する「えんてつカード」。乗車や買い物でポイントがたまると、各種の特典が付く。

 特に有効なのが、来ない顧客の来店を促したり、鉄道の乗客に百貨店を利用してもらったりする「相互送客」。DMのヒット率が5~6%は当たり前で、時には20%超を叩き出すという。

 そんな遠鉄グループにおけるデータ活用の司令塔は“タッグ”によるもの。ITを使った販促を支援する営業推進部に、営業推進課とIT戦略課を置く。それぞれの課に所属する担当者が2人1組でタッグを組み、ツーマン体制でデータ分析を進めている。計4チームあり、それぞれが担当領域を持ち、キャンペーン施策のPDCAを回す。

 なぜ2人1組で分析を進めるのか。それはマーケティングとITのスペシャリストにコンビを組ませることで、「新たな視点と施策を生む有機的融合が増える」(遠州鉄道の宮田洋営業推進部長)ためだ。マーケティングとITのどちらにも精通した人材を確保するのは簡単ではない。スペシャリストにコンビを組ませ、ビッグデータ時代に即した販促策を考えている。