NTTドコモが、自社の総合マーケットサービス「dマーケット」内の新機軸として展開している「dクリエイターズ」。一般クリエイターのハンドメイド作品を出品・購入できる同サービスは、クリエイターに何をもたらし、どのような影響を与えているのだろうか。7月16日から21日まで東京・六本木で開催された「ハンドクラフトフェス」から、その取り組みを追ってみた。
「E★エブリスタ」の成功がクリエイター支援に結びつく
dクリエイターズは、NTTドコモが2013年5月に、dマーケット内で提供を開始したサービスだ。一般クリエイターが作成した創作物を出品したり、購入したりできるのが特徴で、アクセサリーや雑貨などを出品できるほか、同社がディー・エヌ・エーと共同で展開している作品投稿サービス「E★エブリスタ」からの供給を受け、一般ユーザーが登録している小説やコミックなどデジタルコンテンツも配信している。
中でも注目を集めているのは、リアルな創作物をクリエイターが出品できるだけでなく、それをユーザーが直接購入できるという点だ。デジタルコンテンツの場合、E★エブリスタに代表されるように、クリエイターとユーザーが作品について直接コミュニケーションしたり、評価したりできる仕組みはすでに多く存在している。また、そこから書籍化やコミック化などをすることで、クリエイターが収益を得る手段も確立されている。
だが、アクセサリーなどのリアルな創作物となると、クリエイターの作品を実際に目にする場が少ない上、それを評価したり、クリエイターの収益につなげたりする手段も決して多いとはいえなかった。
そうしたクリエイター側の抱える課題に機会を見出し、サービスを開始したのが、dクリエイターズである。実際、このサービスの提供には、E★エブリスタに投稿される創作物の書籍化などにより、クリエイター側に支払われた金額が、サービス開始から2年半で約4億円にのぼるなど一般クリエイター支援で継続した成果を生み出していることが大きく影響している。