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 すべての会社に不可避の現象である老化に対しての根本的な解決策は「リセット」であると前回お話ししました。人の集団である組織でいうリセットとは、「新しい箱を作ってそこにゼロから新しい世界を作る」ということです。

 組織はどんなに「変革」しようとしても限界があります。新しい組織を作って、古い組織を置き換えていくことでしか老化がリセットできないのは、人間の老化のリセットの仕方(新しい世代を生み出して旧世代は退場していく)を見ても自明のことと言えます。

同じ箱のままのリセットが不可能である理由

 理屈から言えば、何も組織そのものを新しくしなくても、組織のリセットは可能だと思えるかもしれませんが、実質的には限りなく困難です。その理由はここまで様々な事例で解説してきたような組織の不可逆性によります。一方通行で老化現象は蓄積されていく一方ですから、これらを一掃するのは、「今ある箱の掃除」だけでは効率が悪く、どうしても限界があります。

 部屋も自然に過ごしていれば散らかっていくという不可逆性についても何度か触れていますが、これも短期的な「対症療法」は「定期的に片付ける」ですが、そもそも根本的にきれいにしようとしたらリセットする、つまり部屋を移るとか引っ越してしまうというのが一つの根本的な対策です(それでも引っ越しの瞬間から散らかるという不可逆プロセスはスタートします)。

 従って、組織もリセットするには「新しい部屋に引っ越す」こと、つまり別の器を用意し、そこで一からスタートするのが老化をリセットするための唯一の方法です。具体的には、単に新しい事業や製品の担当を既存の組織に設けるだけでなく、必ずこれまでの組織とは隔離したプロジェクトチームや、部門、事業部といった形での組織をもうけてその成長とともにこれまでの組織を置き換えるという形式が必要です。