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 私は、企業のOJT(オン・ザ・ジョブ・トレーニング)支援を2003年から続けています。もはやライフワークのように思っている仕事です。

 ここで言うOJTとは、この連載で何回か触れてきた「制度化されたOJT」のことです。若手社員に先輩社員が1対1でついて、成長を支援します。OJT制度がない企業を支援する際には、制度の立ち上げから関わることもよくあります。

制度化初年度は疑問の声が出てくる

 OJTを制度化した初年度には、OJT担当者に任命される人たちを集めて、「どのように若手を育成するか」を学ぶ研修を開催します。出席者の中には、OJT制度に疑問を持つ人もいます。

「どうしてこんな制度を立ち上げたのだ?」
「なぜ、若手をそんなに丁寧に育てなければならないのか?」
「若手に甘いのではないか?」

 このような疑問の声だけでなく、

「自分の業務が忙しいのに、そのうえ後輩の面倒まで見るなんて」
「自分のことで精いっぱいだから、後輩の指導なんて手が回らない」

などと、OJT担当になることに後ろ向きな声も出てきます。

 もちろん、

「後輩を指導してみたかったから嬉しい」
「後輩を任されたので頑張りたい」

と、制度を前向きに捉える人も大勢います。

 それでも、人事部門や人材開発部門が忍耐強くOJT制度を1年、2年と推し進めているうち、社内の空気は徐々に変わってきます。

「この制度、効果があるからこれからも続けよう」
「OJTに関わるって実はいいことだ」

と、現場の声が前向きなものになるのです。制度化されたOJTを通じて、若手は以前より早く育つようになることに加えて、指導にあたるOJT担当者たちが「人を育てることのメリット」を実感できるからです。