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 野村総合研究所(NRI)が、ASEANでの事業強化を急いでいる。2013年4月にタイ現地法人の本格営業を開始(写真)。12年4月にはインドネシアに駐在員事務所を開設している。「現地に進出する日系企業の現地法人に加え、タイ政府向けの案件なども狙っていきたい」と、野村総合研究所タイの水野兼悟社長の鼻息は荒い。

写真●野村総合研究所タイの開設セミナーの様子
写真●野村総合研究所タイの開設セミナーの様子
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 NRIのASEAN向け事業で好調なのは、クラウド型ERP(統合基幹業務システム)システムだ。香港のデータセンター(DC)で運用する米QADの製品をネットワーク経由で提供、01年から販売している。

 「機能だけを見れば、独SAPや米オラクルのERP製品を提供する企業と競合する。ただし当社には十数年にわたってERPシステムを導入してきたノウハウがある。優位性を築けるはずだ」と、ノムラ・リサーチ・インスティテュート・ホンコンの下野隼人副総経理 システムコンサルティング部部長は強調する。

 同クラウドサービスの主要顧客は現地に進出する日系企業だ。アジア全体で120拠点の導入実績がある。そのうちの6割が中国向け、4割がASEAN向けだという。「2012年だけで見ると、タイ、フィリピン、シンガポールといったASEAN向けがメインだった」(下野副総経理)。

 従来は、顧客の現地拠点が独自にシステム導入を検討するケースが多かった。ところがここ5年の間で、日本の本社が主導して導入を進める案件が増えたという。

 こうした案件への対応強化のため、NRIは日本本社と地域統括会社、現地拠点という三つのレイヤーそれぞれで顧客対応ができる体制を構築している。ERPシステムの導入を主導するのが、顧客のどの部門かによってNRI側の窓口を柔軟に変えることができる。

 NRIが狙うマーケットは、日系企業の現地法人だけではない。「現地の官公庁や企業を攻略しなければ、当社のプレゼンスを大きくすることはできない」と、下野副総経理は話す。「現地企業と比べると当社に価格的な優位性はないため、薄利多売モデルでは闘えない。日系企業ならではの高品質を売りにしていきたい」(下野副総経理)とする。