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 最終回はアニマル・シンキングの中身ではなく、この新しい発想法を機能させるため、どのような準備が必要か、いわば実践現場の「裏側」について述べてみたい。

 アニマル・シンキングは発想のツールである。その機能を十分に発揮させるため、必要な準備と組織開発の考えをセットで実施できるようにしていきたい。


 「(アニマル・シンキングの)研修を受けて本当に素晴らしい内容だと思い、自分の職場でもぜひ実施してみたいのですが、職場の仲間は全く、アニマル・シンキングを理解していません。どうやって職場で実践したらいいでしょうか」。

 「素晴らしいコンテンツだ。ただ、アニマル・シンキングという名称から、ついつい“動物占い”を連想してしまう。役員に説明しても、なかなか理解してもらえない可能性が高い。どのように説明したらよいだろうか」。

 アニマル・シンキングの研修に参加した人や、公開セミナーに参加した人から、こうした声をちょうだいした。

 アニマル・シンキングに限ったことではないが、職場で何か新しい試みをしようとすると、「どうやって実践すればよいのか」と悩むことになる。誰しも経験があることだろう。

 周りに理解者がいないなかで、どうやって現場で新しい試みを実践していくのか。自分自身が最終的な意思決定者でない限り、常にこの問題をどう解決していけばよいか考えていく必要がある。

 アニマル・シンキングを体験し、現場で活用することを検討している人には、単発の研修ではなく、半年程度の時間をかけながら、現場のリアルな課題を扱うように勧めている。

 その際、「組織開発」も同時に行うことを勧めたい。ここでいう組織開発とは、人事制度の刷新などは含まない。組織に属している人たちの、あるいは対象となる人たちの行動や考え方、価値観の変容を狙いとした、プログラム実施前の段取りから、セッションごとの合間のフォローアップ、セッション中のファシリテーション、プログラム終了後のフォローなどを指す。

 その結果、我々コンサルタントの支援を必要とせず、クライアント自身が自発的に創造力を発揮しながら、課題解決に取り組んでいる状態がゴールとなる。

 前回紹介した長野県須坂市では、2013年度に入っても職員の自発的な活動が続いている。この事例から、自発的に創造力を発揮する組織への転換に向けて、大切だと思われるポイントを幾つか紹介したい。