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「なあ、“あれ”を何とか事業化したいと思っているのだが…」

 2009年末。同僚から突然こう切り出されて、町田は少々戸惑った。何せ、この同僚と共に取り組んでいる仕事とは全く関係ない案件だったからだ。“あれ”とは、2008年から事実上開発がストップしているトイレッツのことである。町田に話を持ちかけてきた同僚は、十文字と共に開発に取り組んでいたハードウエア技術者だった。

セガ 第一研究開発本部 プロデューサーの町田裕孝氏(写真:加藤 康)
セガ 第一研究開発本部 プロデューサーの町田裕孝氏(写真:加藤 康)
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 この同僚がトイレッツに対する思いを断ち切れないのも理解できた。トイレを遊び場にするというアイデアは確かに斬新だ。このまま埋もれさせておくのはもったいない。町田はそう思った。

 トイレッツの実用化に向けた課題の打開策として町田が目を付けたのが、便器の上に設置するディスプレイだった。この画面に広告を表示すれば、紙のPOPならぬ、格好の「電子POP」として機能するのではないか。