PR

 米IBMと米オラクル、富士通のIT大手が、UNIXサーバー用RISCプロセッサの新モデルを一斉に発表した()。いずれも2014年に製品化する見込みだ。3社とも2013年前半に現行製品を出荷開始したばかりであり、新製品の投入は2年連続となる。矢継ぎ早の製品投入によって、UNIXサーバーの売り上げ減少に歯止めをかけたい考えだ。

表●日米のIT大手が2013年8月に発表した新型UNIX用プロセッサ
表●日米のIT大手が2013年8月に発表した新型UNIX用プロセッサ
[画像のクリックで拡大表示]

 3社はともに、米国で8月25~27日に開催されたシンポジウム「Hot Chips 25」で新プロセッサを発表した。IBMの「POWER8」は「POWER7+」の後継で、性能を2~2.6倍に高めた。コア数は8個から12個に、同時実行スレッド数は32から96に増やしている。プロセッサの製造技術であるプロセスルールを32ナノメートル(nm)から22nmに変更した。

 オラクルの「SPARC M6」は、「SPARC M5」の後継だ。コア数を2倍の12個に、1サーバー当たりのソケット数を3倍の96個に増やし、1サーバー当たりのコア数を6倍にした。

 富士通の「SPARC 64X+」は、「SPARC 64X」の改良版だ。動作周波数を3.0GHzから3.5GHzに高めた。コアが16 個である点や、データベース(DB)の処理をハードウエア処理化する機能「Software on Chip」を搭載する点などは同じだ。オラクル、富士通ともにプロセスルールは28nmで、従来と変化は無い。

 UNIXサーバー市場は世界規模で縮小が続いている。米IDCが8月27日に発表した2013年第2四半期の世界サーバー市場調査によれば、UNIXサーバーの出荷額は前年同期比で21.0%減り、18億ドルとなった。市場全体の出荷額が同6.2%の減少であることを考えると、UNIXサーバーの落ち込みは著しい。サーバー全体に占めるUNIXサーバーの割合は出荷額ベースで15.1%であり、同49.3%を占めるWindowsサーバーや、同23.2%を占めるLinuxサーバーとの差が開いている。

 苦戦の原因は、大型DBサーバーの需要がPCサーバーに奪われたことにある。プロセッサの単体性能を高めることで需要を取り返そうというのが、新プロセッサ投入の狙いである。

 UNIXサーバーが苦戦する一方、IBMのメインフレーム「System z」は、クラウドやビッグデータなどの「第3のプラットフォームを取り込んだ」(IDCのクバ・ストラルスキー リサーチマネージャー)。これにより、出荷額は前年同期比で9.9%増えた。UNIXサーバーの退潮を止めるには、大型DBサーバーでの巻き返しに加えて、第3のプラットフォームに代表される新しい用途を開拓する必要がある。