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 徴税や社会保障給付を効率化する「税・社会保障の共通番号(マイナンバー)」制度の実現に向け、政府のシステム調達が動き出した。国税庁は2013年9月2日、マイナンバー向けに構築する二つのシステムの、RFP(提案依頼書)に相当する調達仕様書を公開した。マイナンバー向けシステムの調達仕様書公開は初めて。政府によるIT調達の改革方針を反映した内容となっている。

 今回調達するのは、個人番号と同様に、企業や団体を識別するための法人番号を発行して管理する「法人番号システム」と、個人番号や法人番号を使った名寄せ処理などを集中的に実行する「共通番号管理システム」の二つ()。後者は、既にある国税庁システムの一部として機能する。両システムは10月23日まで提案を受け付け、2013年10月29日に開札してベンダーを選ぶ。

図●国税庁が調達する二つのシステム
図●国税庁が調達する二つのシステム
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 法人番号システムは、国税庁内に職員30人ほどの「法人番号センター」を設置して運用するという。既存の国税庁システムや登記簿などの外部情報も参照しながら、法人データを整理統合し、法人名称や住所とともに番号を割り振るのに活用する。562万法人への番号割り当てを見込んでいる。法人番号を民間が活用できるよう、専用サイトを通じて番号を公開、検索できる機能も実装する。

 一方、共通番号管理システムは、法人番号と個人番号の両方を扱う。住所や名前を正規化(データ表記の統一など)したり、番号で納税情報を照会できる機能などを実装。国税庁の既存システムと連携して税務情報を効率よく突き合わせするのに活用する。利用者は税務署職員5万6000人で、1日350万件超の照会処理をこなす想定である。京都市にある「通り名」などの特殊な地名も自動的に名寄せできるほか、人名漢字を扱うべく文字コードに詳しい技術者の参加もベンダーに求めた。

 ベンダー選定方法では、内閣官房の情報通信技術総合戦略室(IT総合戦略室)が推進する調達改革を取り込んだ。提案の評価に用いる技術点と価格点の点数配分を、従来の1対1から3対1と、技術力重視に変更したことだ。「技術提案で差が付きにくく、安値を提示するベンダーが能力に関わらず選ばれやすい」などの従来の問題点を改善する狙いである。

 今後、大規模システムの調達はこの新配分で実施される。IT総合戦略室と、調達を統括する財務省とで合意したうえで、今後の点数配分を改める通達を同省から6月末に出した。

 また今回の2システムは、コストを抑えるため、総務省が省庁横断で3月に運用開始したプライベートクラウド「政府共通プラットフォーム」を採用することも明記した。