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 アジアで今、日系IT企業の新たな商機が生まれている。それは「海外進出する日系企業向けのシステム構築」である。

 アジアには、製造業を中心に多くの日系企業が進出している(図1)。昨年末の政権交代以降、いわゆるアベノミクス効果もあり、特にASEANに進出する中堅製造業が増えている。これら進出企業のIT需要を取り込めば、海外進出の足掛かりをつかめるはずだ。

図1●アジア各国における日系企業の進出社数
図1●アジア各国における日系企業の進出社数
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 製造業が現地で必要とするITサービスの代表格は、生産管理ソフトだ。その導入形態には三つのパターンがある。

 まずは、現地にサーバーを置き、システムを構築するパターンである。稼働後の生産計画立案やデータ入力といったシステム操作のほか、障害対応などのシステム運用も現地拠点が担う。

 反対に、現地ではシステム構築をしないパターンがある。クラウドサービスを使うケースだ。

 これらの中間と言えるのが、システムは現地で構築するものの、操作の一部は日本側に任せるパターンである。三つのパターン別に、実例を見てみよう。

サポート力が強み:IT要員不足の日系企業を攻略

 ホンダやトヨタ自動車向けに車体の骨格部品を製造するジーテクトは2014年1月をメドに、インドネシア工場を本格操業する。

 「工場の設立はスピードが命。システム導入もスピードを重視した」。ジーテクト・インドネシア・マニュファクチャリングの吉田高士取締役はこう述べる。スピード重視の具体策は、現地でシステム構築を主導することだった。

 同社は工場の本格操業に先駆け、2013年8月に生産管理システムを正式稼働させた。採用したのは東洋ビジネスエンジニアリング(B-EN-G)の生産管理ソフト「MCFrame」だ。工場内に置いたサーバー上で同ソフトを動かす。

 MCFrameを選定した最大の理由は、「現地でのサポート力」(吉田取締役)にあった。

 B-EN-Gは現地IT企業の「インドヌサコンピュータシステム(ICS)」と提携し、同社を通じてジーテクトの案件を手掛けた。ICSは現地で20年間にわたって日系企業向けの案件を手掛けた実績を持ち、日本人技術者5人とインドネシア人技術者30人を抱える。ICSはこのうち日本人技術者1人とインドネシア人技術者4人から成るチームを構成し、ジーテクトの案件を担当させている。

 B-EN-Gはジーテクトのようなニーズを踏まえて、現地技術者の増強に力を注いできた。インドネシアのほか、タイでは自社拠点を構え、日本人技術者7人とタイ人技術者数十人を確保している。

 ジーテクトは稼働後のサポート業務についても、ICSの技術者に期待を寄せる。現地拠点に自社専任のIT要員がいないからだ。ICSの技術者に、システムの操作方法について相談したり、アドバイスを受けたりする考えだ。

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