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 ミュージアム(博物館、美術館)を経済活動として捉え、豊富な事例とともに今後の在り方を探っている。ミュージアムが箱物事業と化し、公的支援に頼り切っているという批判は根強い。その反動で過剰に商業的な動きも出てきており、業界全体が袋小路の様相を呈しているというのが著者の問題提起だ。

 この課題に対して著者が提示する一つの解が「モバイルミュージアム」である。コンテンツのまとまりで基本単位を決め、一定のタイムスパンでレゴブロックのように基本単位を組み替えて、複数のミュージアムで展示を遊動させる。ミュージアムをソフト面で捉え直し、ロングテールの展示や企画を実施しやすくすることを目指す。

 ヒットを確実に見込めるコンテンツの不在はどの業界も共通だろう。美術品や工芸品といった“既存資産”のフル活用を目指すモバイルミュージアムの在り方は、一般企業でも参考にできる点が多いはずだ。

モバイルミュージアム行動する博物館


モバイルミュージアム行動する博物館
西野 嘉章 著
平凡社発行
798円(税込)