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 データセンター(DC)の「すごい」変化は、建物やラックといったハードウエアだけでなく、それ以外の部分でも生じている。米マイクロソフトがクラウドサービスを提供するDCでは、ネットワーク構成に大きな変化が起きていた。

 表1は、マイクロソフトの電子メールSaaS(ソフトウエア・アズ・ア・サービス)、「Office 365 Exchange」を提供するDCで、2012年に行った大がかりな構成変更をまとめたものだ。

表1●米マイクロソフトの電子メールサービス「Office 365 Exchange」の変化
表1●米マイクロソフトの電子メールサービス「Office 365 Exchange」の変化
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 マイクロソフトは2012年6月まで、DCの中に大きなレイヤー2(L2)ドメインを構成し、ネットワークスイッチが備える「VLAN」機能を使って、必要に応じてネットワークを分割していた。ところが2012年6月以降は、L2ドメインをラックの中だけに限定し、ラック間をレイヤー3(L3)ネットワークで接続するという構成に切り替えた。

 この狙いは、ネットワークスイッチが故障してもネットワークが利用し続けられるようにすることだった。

 大きなL2ドメインでは、ネットワークスイッチはツリー上に構成されている。ラックをまたがる通信は、ツリーの上位にある(複数のラックやスイッチを取りまとめている)大型スイッチを経由して行う。この構成の問題点は、ツリーの上位にある大型スイッチが故障すると、そのスイッチの下位にあるラック同士の通信ができなくなることだ。

 この問題を解消するためにマイクロソフトは、スイッチが故障してもラック間の通信を維持できるよう、スイッチをL3ネットワークでメッシュ上に接続するという新しい構成に切り替えた(図1)。

図1●データセンター内に「小型インターネット」を作ったマイクロソフト
図1●データセンター内に「小型インターネット」を作ったマイクロソフト
マイクロソフトは、データセンター内にある各ラックを、インターネットの構成単位である「AS(自律システム)」とし、インターネットのルーティングに使用する計算方式「BGP」を使って、ラック間のルーティングを決定している
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